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CTCがセキュアイノベーションに出資、セキュリティサービスやノウハウの相互連携で協業

 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は19日、セキュリティオペレーションセンター(SOC)の運用や脆弱性診断サービスを手掛ける株式会社セキュアイノベーションに出資すると発表した。CTCでは、セキュリティサービスやノウハウの相互連携を通じ、セキュリティ事業の体制強化に向けてセキュアイノベーションとの協業を開始するという。

 セキュアイノベーションは、沖縄県のセキュリティ専業ベンダーで、中小規模システム向けのマネージドセキュリティサービスや、ネットワークやアプリケーション、さまざまなデバイスとの通信を伴うIoT機器に対する脆弱性診断サービスなどを提供している。また、2022年には、車両の各種センサーや機器などを制御する車載ネットワークのセキュリティに関して、名古屋大学との共同研究も開始しているほか、教育機関や教育事業者との連携により、セキュリティ人材の確保と育成に努めているとのこと。

 一方のCTCでは、インターネット上の脅威動向を調査・分析してセキュリティ対策に生かすマネージドセキュリティサービスを、CTC-SOCを通して国内外の多くの企業に展開しており、顧客企業のSOC構築・運営を支援する「プライベートSOC構築支援サービス」も提供している。さらに2023年には、脅威情報と生成AIを活用したサービスを開発、セキュリティ監視能力の強化を図っているとした。

 今回の協業において両社は、セキュリティサービスを相互に補完し、企業システムを24時間365日遠隔監視するSOCをはじめとしたセキュリティ事業の体制を強化する考え。これにより、複数拠点にまたがる、大規模かつ複雑なシステムの監視サービスに加えて、特定の部門やプロジェクトで利用される中小規模のシステムに適した、スモールスタートでの導入が可能になるため、セキュリティ人材が不足する企業に対しても、さらに柔軟で網羅的なマネージドセキュリティサービスが提供できるようになるとしている。

 両社は今後、それぞれのノウハウを生かして、車載ネットワークシステム、工場やプラントの運転を制御する技術(OT)に関するセキュリティサービスの開発を進める一方、セキュリティ需要の高まりが予想される東南アジアに向けたマネージドセキュリティサービスの提供も視野に入れている。