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伊藤忠丸紅鉄鋼、NTT Com、ウェイストボックスとの連携でサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量を算定・可視化・分析するクラウドサービス「MIeCO2」を提供

 伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社は30日、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)が提供するGHG(温室効果ガス)排出量可視化プラットフォーム「CO2MOS」と、株式会社ウェイストボックスが持つ環境コンサルティングの知見を活用し、鉄鋼製品を含むサプライチェーン全体のGHG排出量を算定・可視化・分析するクラウドサービス「MIeCO2(ミエコ)」を9月1日に提供開始すると発表した。

 伊藤忠丸紅鉄鋼、NTT Com、ウェイストボックスの3社は、企業や産業界が温室効果ガス排出量削減に向けた取り組みを加速するためには、自社単独ではなく、取引先との連携によってサプライチェーン全体にわたって正確な情報を共有し、対策を進める必要があるとして、これを実現するソリューション群の提供を共同で検討し、2023年2月から実証実験を行ってきた。

 この実証実験の結果をもとに、3社の共創により、排出量の算定・可視化・分析をはじめ、排出量削減や情報開示に向けたコンサルティング、各種認証取得支援などカーボンニュートラルの実現につながる取り組みを総合的に支援するサービスを構築し、伊藤忠丸紅鉄鋼が提供する。

サービスの画面イメージ

 サービスでは、温室効果ガスのサプライチェーン排出量可視化サービスを提供。自社内で収集可能なデータによる簡易的な算定から、サプライヤーから収集するデータを反映した精緻な算定まで、顧客の保有データに応じた温室効果ガスのサプライチェーン全体の排出量算定・可視化・分析を行う。

 また、サプライチェーン排出量算定支援コンサルティングサービスとして、排出量算定に関わる業務(算定範囲決定、算定ロジック定義、データ収集方法具体化、財務情報との整合性確認)、CDP(環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営する非営利団体)やTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)情報開示、SBT(Science Based Targets、パリ協定が求める水準と整合した温室効果ガス排出削減目標)認定取得の支援を行う。とりわけ、伊藤忠丸紅鉄鋼の知見を総動員し、あらゆる鉄鋼関連業界の顧客に寄り添ったサービスを提供していくとしている。

 伊藤忠丸紅鉄鋼、NTT Com、ウェイストボックスの3社は、カーボンニュートラルをめざす企業に対し、サービスの提供を通じて再生可能エネルギーの導入、調達業務への活用による排出量の削減や、カーボンクレジットを活用したオフセットなどの支援を目指すと説明。こうした取り組みにより、温室効果ガスの算定・削減・開示を一気通貫で支援し、鉄鋼関連業界のサプライチェーンの価値向上につなげていくとしている。