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JVCケンウッド・公共産業システム、クラウド型映像セキュリティサービス「Jchaser」を国内販売

 株式会社JVCケンウッド・公共産業システムは14日、米Atomrockとの協業により、クラウド型映像セキュリティサービス「Jchaser」の国内販売を7月中旬に開始すると発表した。

 Jchaserは、クラウド環境とエッジAI・監視カメラ・検温端末で構成する統合的なAIセキュリティ機能を提供するサービス。カメラ映像のクラウド録画に加え、顔認証AI機能により、事前に顔登録をした人物の入退場・検温の一元管理や、エッジAIを活用した監視カメラと顔認証機能による特定人物の行動履歴の把握などを可能にする。

 クラウド接続により、設置場所の省スペース化やリモート監視が可能。さらに、監視カメラによりフルHD高画質で録画した映像や、検温端末に内蔵したカメラで撮影した映像は、PCやモバイル端末を使ってライブ表示や再生ができる。録画した映像はクラウドに保存され、保存期間も最短1週間~最長6カ月間の選択が可能。さらに、アーカイブ機能の搭載により長期間の映像保管にも対応する。

ライブ・再生表示画面

 顔認証AI機能により、あらかじめ顔登録をした人物(顔登録者)の施設への入場と、入場時の検温データの同時記録が可能。また、指定した顔登録者の入場時にアラート通知が可能なため、セキュリティ強化にも貢献する。さらに、複数台の検温端末の測定結果を一元管理できる。

 エッジAIユニットを使用して監視カメラに顔認証AI機能を付加し、インテリジェント化が可能。施設内各所に設置した監視カメラ映像から、顔登録者の認証情報を検索し、移動場所を特定して行動履歴を把握できる。また、写真を使用した検索機能により、顔未登録者の行動履歴も特定できる。

 JVCケンウッド・公共産業システムが2020年11月に発売したAI検温ステーション「VA110」は、顔認識AIと高性能温度センサーにより、マスクを着用したまま非接触による検温が可能な端末で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染対策として、企業や自治体などの施設に多数の導入実績がある。

 一方、現在のセキュリティ市場では、不正行為やセキュリティ侵害への対処として監視カメラや映像記録装置を利用し、映像による施設の安全を確保することが、多くの企業や団体にとって重要になっている。また、現在の映像セキュリティシステムの多くは多数の機器を監視拠点に設置するオンプレミス型が主流で、設備の設置にスペースを要することなどが課題となっているという。

 そこで、JVCケンウッド・公共産業システムでは、VA110のユーザー価値向上と、さらなる機能拡張を目指し、VA110の開発・提供元であるAtomrockと共に、クラウド接続やエッジAIの活用による顔認証や監視カメラとの連携を模索し、機能・仕様の検討および国内でのテストマーケティングを実施。JVCケンウッド・公共産業システムの監視カメラと、AtomrockのエッジAIやクラウドシステムなどの技術連携により、クラウド管理による省スペース化やリモート監視に加え、エッジAIを活用した顔認証・監視カメラ・検温管理による統合的なAIセキュリティを実現する、クラウド型映像セキュリティサービスとしてJchaserを商品化し、国内販売を開始するとしている。

 また、Jchaserはさらなる機能拡張として、エッジAIユニットを活用した映像や音声の解析による、さまざまなアプリケーション機能の追加を順次、予定。販売においては、パートナーと連携し、クラウドを活用した映像セキュリティソリューションとして提案していくとしている。