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Hexagonと富士通、自然災害対策や交通事故削減に向けたデジタルツインのユースケースを開発
2023年6月13日 12:19
Hexagon Safety, Infrastructure & Geospatial division(以下、Hexagon)と富士通株式会社は13日、2022年6月に締結した提携に基づき、災害に強い安心安全な街づくりを支援するため、デジタルツイン技術を活用し、自然災害の被害を予測し可視化するユースケースと交通事故の危険性が高いスポットなどを改善策とともに提示するユースケースを共同開発したと発表した。今後、行政・自治体、道路サービス事業分野の顧客と実証実験を行い、2023年度中に本ユースケースのグローバル展開を目指す。
両社はこれまで、世界的な持続可能性の課題解決に向け、ドイツのミュンヘン市など複数の都市で実施してきたシェアドモビリティの実証実験を経て、2022年6月にデジタルツイン技術領域での提携を発表した。この提携により、CO2削減や、リアルタイムでの交通情報や災害時の状況把握などといった、持続可能性に関する社会課題を解決するユースケースの構築や、ユースケースを実現するためのソリューションの提供を行っている。
2022年11月には、両社で構築した都市環境最適化に向けた意思決定を支援するデジタルツインプラットフォーム「Urban Digital Twin ソリューション」を活用し、ドイツのシュトゥットガルト市の「Urban Digital Twin project」の支援を開始している。
今回、共同開発したユースケースのうち、自然災害の被害を予測して可視化するユースケースでは、富士通の高度なコンピューティング技術およびソフトウェア技術を誰もが容易に利用できるサービス群「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」と、Hexagonのリアルタイムな地理空間アプリケーション「M.App Enterprise」を活用し、富士通の「デジタルリハーサル」技術を用いて、災害の脅威やそれに対応するための対策の効果をデジタルツイン上で事前に検証し、最適な施策を探索する。
最初の取り組みとして、洪水予測モデルと降水量データにより、高度な洪水氾濫計算を行い、可視化するだけではなく、災害拠点病院のインフラ被害予測、災害対応計画の策定、損害額の推定など、医療、金融、公共、流通といったそれぞれの業界が持つ課題・ユースケースを想定し、支援する。
今後、サービス化に向けて、同ユースケースを基にさまざまな顧客と実証実験を行い、得られた知見を活用して機能強化を図っていく。さらに、気温や雨量を観測する気象IoTセンサーや天気予報サービスと連携して、異常気象や自然災害発生時の安全な避難経路の確保やインフラ保護の支援を目指す。
交通事故削減に寄与するユースケースでは、Hexagonの可視化ツール「M.App Enterprise」と、富士通の「Fujitsuマネージドインフラサービス」を組み合わせて、交通事故が多発している場所を可視化し、交通量、道路設計や道路標識、およびその他の要因を分析することで、国際道路評価プログラム(International Road Assessment Programme:iRAP)が提案する交通事故削減に向けた改善策「Road Safety Toolkit」に準じた、交通事故削減に寄与する改善策を提示するアプリケーションを開発した。
例えば、交通量が少ないのに事故が多発しているスポットには、スピードを規制する、注意喚起の看板を設置する、ガードレールにより歩行者と車両の通行区分を分けるなどといった、複数の改善策を費用対効果とともに提示でき、これらを行政・自治体、道路サービス事業会社の都市計画担当者や道路管理者へ提案し、導入時にコンサルティングサービスを実施することで、交通事故削減や安心安全な街づくりに貢献する。
これらのユースケースは、6月12日(米国時間)にHexagonがラスベガスで開催するグローバルカンファレンス「HxGN LIVE Global 2023」で発表する。