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東芝デジタルソリューションズ、空間内に音の聴こえやすい場所を作り出す「Soundimension 音場制御」を提供

 東芝デジタルソリューションズ株式会社は26日、空間内に音が聴こえやすい場所と聴こえにくい場所を作りだし、必要な人に必要な音を届けられるソフトウェア「Soundimension 音場制御」の提供を開始した。

 Soundimension 音場制御は、数個の汎用スピーカーを用いて、制御したい空間を囲むことなく、音の聴こえやすい場所と聴こえにくい場所をスピーカーの周囲に作り出せるソフトウェア。広い空間だけでなく、数10cmから1m程度の狭い空間レンジでの音圧分布形成が可能で、パーソナルな空間サイズに対して、ユーザー本人だけがしっかり聴こえる環境を作り出せる。

Soundimension 音場制御による空間の音圧分布生成のイメージ

 使用環境・目的が変化するたびにスピーカーなどのハードウェアの設定や配置を変えることなく、音を届けるエリアやその聴こえ方をソフトウェアで制御する。一般的な指向性スピーカーでは制御が難しいと言われる低周波領域(例えば男性の声の低域部など)も制御の対象とし、処理が可能な音源の種類の幅を広げている。

 利用シーンとしては、例えば会議用スピーカーに出力される音声に対して音場制御を適用することで、スピーカーセットの正面位置にいるその会議の参加者には会議音声がはっきり聞こえ、離れた位置にいる非参加者に漏れ聞こえてしまう会議音声は小さくできる。

 あるいは、サイネージ・案内板・博物館などの音声情報について、投影・再生するコンテンツの音声がはっきり聴こえるエリアを絞って設定することで、周囲の人に気兼ねなくコンテンツの視聴ができるとともに、複数のデバイスが近くに並んでいる場合もコンテンツ同士の音の干渉を低減させられる。

 また、ATMや券売機など小型機器の音声案内では、操作者にははっきりと音声案内が聴こえ、横などの周囲にいる人には気になりにくい音量で音声案内を流すことができ、機器の周囲での騒音を低減し、操作者の聴かれたくない思いにも応えられる。

 東芝デジタルソリューションズでは、今後もシンプルで使いやすい音響ソフトウェアを提供し、音の活用手段をより広げることで、さまざまな業種や業態における音・音声情報の活用推進や、「人々にとって心地よい音」の提供に貢献していくとしている。