ニュース

2022年の国内ソフトウェア市場規模は前年比13.9%増の約4兆1549億、IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は23日、ソフトウェア市場の実績と予測を発表した。

 IDCでは、ソフトウェア(パブリッククラウドサービスを含む)市場を、3の大分類市場、20の中分類市場、78の機能市場に分類し、国内市場を含むグローバルなベンダー売上額および市場予測を「IDC Worldwide Semiannual Software Tracker」として提供している。2023年5月発行の同製品では、2022年におけるソフトウェア市場のグローバル売上額は前年比11.1%増の8244億米ドル、国内ソフトウェア市場は前年比13.9%増の4兆1548億6300万円と推計している。

 2022年の国内ソフトウェア市場は、2021年から続いた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって消費者/ビジネスでのデジタルシフトが急速に進み、国内企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)進展のためのソフトウェア投資を押し上げ、堅調に成長したと分析。この中でも、ポストCOVID-19のデジタルビジネス拡大に向けた投資や、非財務側面の強化による企業価値の拡大、サイバーセキュリティ/ガバナンス対策のためのソフトウェア投資が2022年後半に増加したことが主な要因と見ている。また、ソフトウェア市場の中で、パブリッククラウドサービス売り上げは、2022年に前年比29.1%増の1兆4058億円に達し、高い成長となったとしている。

 2022年のソフトウェア大分類市場のトレンドは、アプリケーション開発/デプロイメント市場は前年比15.1%増の1兆358億円となり、データドリブン経営推進のためのAI/アナリティクス市場、データ管理市場が成長。アプリケーション市場は、前年比12.7%増の1兆7483億円となり、デジタルCX向上に向けたCRM市場およびコンテンツワークフロー管理市場が成長したと分析している。

 また、システムインフラストラクチャソフトウェア市場は、前年比14.5%増の1兆3708億円となり、サイバーセキュリティ対策/デジタルトラスト向上に向けたセキュリティソフトウェア市場およびクラウド型ITシステム管理市場が成長したとしている。

 こうした背景から、IDCでは企業のデジタルレジリエンシー、デジタルCXや企業価値の拡大に向けたソフトウェア投資が今後も継続し、国内ソフトウェア市場は2022年~2027年の年間平均成長率が6.7%で成長し、2027年には5兆7459億円に達すると予測している。各ソフトウェア大分類市場の2022年~2027年の年間平均成長率は、アプリケーション開発/デプロイメント市場は11.7%、アプリケーション市場は5.0%、システムインフラストラクチャソフトウェア市場は4.9%と予測している。

 IDC Japan Software/Service Solutionsのグループディレクターである眞鍋敬氏は、「諸外国のリセッションリスク、為替変動や政変など国内経済に与える要因はあるが、デジタルファースト時代に突入する国内市場でのソフトウェア投資は継続するとIDCは予測している。サステナブルなデジタルビジネスを行うためには、デジタルによる効率化、収益増加および企業価値向上を同時に達成する必要があり、最適なソフトウェアをツールとして活用することは企業業績を左右することになるだろう」と述べている。

国内ソフトウェア市場 予測、2023年~2027年(出典:IDC Japan)