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2022年度の国内パブリッククラウド市場規模は2兆3197億円、DX実現に向けたIaaS/PaaSが市場を拡大~富士キメラ総研調査

 株式会社富士キメラ総研は22日、パブリッククラウドの国内市場を調査し、その結果を「2023 クラウドコンピューティングの現状と将来展望 市場編/ベンダー戦略編」にまとめた。調査では、「市場編」でSaaS、DaaS、PaaS、IaaSといったパブリッククラウド市場の現状を分析して将来を予想するとともに、「ベンダー戦略編」でクラウドベンダー50社の事業者の動向を整理した。

 パブリッククラウド(リソース提供)の2022年度の国内市場規模は、SaaSが1兆2284億円(前年度比14.6%増)、DaaSが420億円(同9.1%増)、PaaSが4221億円(同38.3%増)、IaaSが6272億円(同25.5%増)、合計が2兆3197億円(21.1%増)と見込んでいる。

 国内市場については、オンプレミス環境からの社内システムのパブリッククラウド移行や、業務改革/デジタル化や事業継続を目的としたパブリッククラウド活用が進んでいることにより、市場拡大が続いていると分析。オンプレミス環境に残る社内システムはまだ多いため、今後もシステム/インフラの刷新や更新をきっかけにパブリッククラウドへの移行が予想されるとしている。

 なお、社内システムのパブリッククラウド移行後の展開として、分散するデータの統合に取り組むケースが増えていると指摘。データドリブン経営の機運が高まっていることも後押ししており、DX実現に向けた新規システム/サービス基盤としてクラウド利用が進むとみられるとしている。

 こうした動向により、2026年度の国内市場規模は、SaaSが1兆8330億円、DaaSが525億円、PaaSが7166億円、IaaSが8763億円、合計が3兆4784億円に達すると予測している。

 IaaS/PaaSはオンラインサービスの需要増加により市場拡大が続いているが、中でもDX関連システム基盤としての利用が注目されていると指摘。IaaS/PaaS市場におけるDX関連システム基盤の国内市場は、2022年度は2248億円、2026年度には3409億円に達する見込みで、DX実現を目的としたIaaS/PaaSの伸びが市場拡大を牽引するとしている。

 SIの国内市場規模については、従来型が2022年度の10兆8934億円から2026年度には10兆4946億円と微減するのに対して、クラウド型は2022年度の4兆3676億円から2026年度には6兆9649億円に拡大すると予測。オンプレミス環境からの社内システムのパブリッククラウド移行に伴い、特にIaaS/PaaS上でのシステム開発ニーズが高まるとしている。