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企業のWANサービスはクラウド連携やリモートアクセス機能へのニーズが拡大、IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は11日、国内企業500社を対象に実施した「2023年 企業ネットワークサービス利用動向調査」における、WANに関する調査結果を発表した。動向調査は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のWAN利用への影響、WAN種別ごとの利用状況の差異、インターネットやデータセンターおよびクラウドの利用状況、SD-WANの利用状況などについて調査している。

 調査からは、WANの利用企業は、WANのオプション機能について、インターネット境界のファイアウォール機能やリモートアクセス機能を有用であると考えていると分析。WANのオプション機能について、最も有用であると思われる項目は、「インターネット境界のファイアウォール機能」が最も高く20%を超えており、「リモートアクセス機能」が15%程度で続く。在宅勤務の広がりに伴い、WANのユーザー企業は、オプション機能にも、在宅勤務環境の構築に役立つ機能を求めているとしている。

 また、多くの企業で、将来的にネットワーク設計におけるクラウドの比重を高めていくことが分かったと指摘。企業ネットワークのインターネットの接続経路として、現状では「自社データセンターに設置したゲートウェイ経由」である企業の割合が最も高く4割を超えているが、この割合は3年後の想定では3割以下となっている。一方、「クラウド事業者が提供するゲートウェイ経由」とする企業の割合が、3年後の想定で35%を超えており、他の接続形態と比べ最も高くなっているという。

 また、企業がSD-WANを選定する際には、管理機能の使いやすさや、クラウド事業者などのSD-WAN連携機能のサポートを重視している。最も重視しているSD-WANの選定基準をみると、「管理機能(コントロールパネル)の使いやすさ」の回答割合が最も高く、続いて「クラウド事業者やデータセンター事業者が提供するSD-WAN連携機能をサポートしていること」が2番目に高くなっている。

 IDC Japan株式会社Infrastructure & Devicesリサーチマネージャーの山下頼行氏は、「在宅勤務の拡大などの働き方の変化や、企業システムのクラウドシフトに伴い、企業はWANサービスやSD-WANに、在宅勤務用のシステムとの親和性やクラウドサービスとの連携のしやすさを求めている。こうしたWAN設計における潮流を捉え、通信事業者やシステムインテグレーターは、WANのインターネットゲートウェイやリモートアクセス機能の強化や、SD-WANのクラウド連携機能の訴求に重点を置くべきである」と述べている。

WANのオプション機能(Q. WANのオプション機能として有用であると思われるものは何ですか?)(出典:IDC Japan)