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NTTデータ、顧客体験価値(CX)向上を実現する「デジタルサクセス」サービスを提供

 株式会社NTTデータは4月28日、顧客体験価値(CX)向上を実現する「デジタルサクセス」CXイノベーションサービスを提供開始した。

 NTTデータでは、デジタル変革により成功した状態を「デジタルサクセス」と定義し、顧客企業やその先のエンドユーザーに「デジタルサクセス」をもたらすためのイノベーション実現をサポートしている。

 一方で、昨今の企業におけるDXの取り組みは、デジタルテクノロジー導入や業務効率化の段階から、顧客体験価値、ビジネス効果を重視する段階へと変化しており、テクノロジーの急速な進化や激しい事業環境の変化に対応して、バリューチェーンやビジネスモデルを変革し、顧客、社員、そして産業全体との価値ある関係を作っていくことが求められていると説明。こうした環境変化を受け、NTTデータのDXコンサルタント、サービスデザイナー、データサイエンティスト、ITアーキテクト、顧客接点領域(Salesforce)のコンサルタント・エンジニアなど、専門家600人規模のデザイン&テクノロジー推進組織をテクノロジーコンサルティング事業本部に設置するとしている。

 さらに、データ活用を起点に企業のビジネス変革を支援してきた「デジタルサクセス」に、デザイン(Tangity)、顧客接点(Salesforce)の強みを融合することで、顧客を起点としたデジタルサービス/ビジネスモデル創出や、社内業務/バリューチェーンの変革、顧客接点の強化を通じて、顧客体験価値とビジネス効果創出を支援する、新たな「デジタルサクセス」を提供するとしている。

 第一弾として、顧客体験価値向上のために、顧客の体験デザイン、顧客タッチポイント構築、データ整備・活用を、一貫性を持って伴走支援する「デジタルサクセス」CXイノベーションを提供。Salesforce、Snowflakeとの連携を通じて、リアルタイムなデータ活用とパーソナライズ施策を通じたCX向上の実現を目指す。

「デジタルサクセス」(全体イメージ)

 「デジタルサクセス」CXイノベーションは、顧客体験価値向上のために必要となるサービスデザイン、顧客タッチポイント、AI・データドリブンオペレーション、データ活用基盤の4領域を対象とする。また、セールスフォース・ジャパン、Snowflakeなどテクノロジーパートナーとの協業を通じて、顧客体験価値向上につながる共同オファリング開発やプロモーション施策を実施する。

 サービスデザインは、顧客のあるべき体験を描き、そのために必要なサービスや、顧客タッチポイントをデザインする。従来のユーザーリサーチ(インタビュー、アンケートなど)に加えて、顧客の属性・行動データ分析などを活用することで、より高い精度でビジネスとして価値のある顧客のあるべき体験を描く。デザイン組織であるTangityはグローバルにも展開しており、CXイノベーション領域については海外デザインスタジオも含めたサービス提供に対応する。

 顧客タッチポイントは、現状の業務課題、あるべき顧客体験デザインを踏まえて、最適な顧客タッチポイント、業務を設計・実装する。さらに、利用実態をデータに基づき捉えることで改善し、顧客体験価値向上に向けて伴走支援する。具体的には、Salesforceをベースとして、企業の顧客接点変革を支援する。

 データ活用基盤は、あらゆる顧客接点で収集する顧客データの一元化と、データ分析活用を通じた全方位視点での顧客理解に必要な、データ活用基盤(カスタマーデータプラットフォーム:CDP)のマネージドサービスを、企業のニーズに応じて複数パターン提供する。従来提供してきた、Amazon Web Services(AWS)、TreasureDataをベースとするパターンに加えて、高い拡張性と企業間でのデータ共創に強みを持つSnowflakeと、さまざまな顧客タッチポイントをカバーするSalesforceを組み合わせて活用・連携させることで、大量の顧客データを対象とするデータ分析や、リアルタイム性の高いデータに基づくパーソナライズ施策を可能とし、これまで実現できなかった顧客体験の提供を可能とする。

 AI・データドリブンオペレーションは、あるべき顧客体験と、顧客生涯価値(LTV)・利益向上に必要となるデータ活用テーマを創出し、データ分析活用、AIによる業務高度化、SalesforceとTableauをシームレスに連携させたモニタリングダッシュボード整備、顧客向け施策の企画・実行・効果測定・改善を伴走支援し、顧客体験を継続的に改善する。さらに、デジタルマーケターが、LTV最大化を見据え、CDPを活用したデジタル広告の企画・運用を支援する。

 NTTデータは、2025年度までに「デジタルサクセス」を30社に提供する計画。また、同じく2025年度までに、国内でSalesforce認定コンサルタント/エンジニア・Snowflakeのスペシャリストを、それぞれ1000人、700人以上を目指し、人材の獲得・育成に継続投資していくとしている。