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2021年度のデジタル人材関連サービス市場規模は前年度比10%増の1兆643億円、矢野経済研究所調査

 株式会社矢野経済研究所は7日、デジタル人材育成・研修サービス市場、デジタル人材(IT技術者)派遣サービス市場、デジタル人材紹介サービス市場を調査し、各分野の市場動向、参入事業者の動向、将来展望を公表した。

 2021年度のデジタル人材関連サービス市場規模(デジタル人材育成・研修サービス、デジタル人材(IT技術者)派遣サービス、デジタル人材紹介サービス3市場の合計)は、前年度比10.0%増の1兆643億円と推計している。

デジタル人材関連サービス市場規模推移・予測(3市場計)

 市場動向については、企業のデジタライゼーションやDX推進の高まりにより、IT・デジタル技術を有する人材需要は拡大を続けており、2020年度はコロナ禍でのマイナス影響を受けたことで伸長鈍化となったものの、IT・デジタル技術の習得に向けたリスキリングなどの人材育成ニーズは依然として高いと分析。また、人材獲得競争が激化している中、IT・デジタル人材の確保・採用のアウトソーシング需要や、派遣(IT技術者派遣)の利活用においても需要は高まっていることから、当該市場は拡大を維持したとしている。

 サービス分野別の市場動向については、デジタル人材育成・研修サービス市場は、DX推進やビジネスのデジタルシフトの推進強化により、その担い手となるIT・デジタル人材の獲得競争が激化していると分析。この背景から、人材の需給はひっ迫し続けており、デジタル人材育成・研修サービスに対する需要は拡大傾向を維持し、当該市場は堅調に推移していく見込みとしている。

 デジタル人材(IT技術者)派遣サービス市場は、IT・デジタル人材不足を背景に、さまざまな業種・企業からのIT領域の派遣技術者に対する需要の維持・拡大により、拡大推移していくと見込んでいる。

 デジタル人材紹介サービス市場は、ITエンジニア職をはじめとするIT・デジタル人材の採用ニーズの拡大、DX推進のさらなる進展などにより、高い人材需要を維持し、当面、拡大を維持していくと見込んでいる。

 今後の市場については、2022年度のデジタル人材関連サービス市場は前年度比9.7%増の1兆1680億円になると予測。2022年度から2023年度にかけては、2020年度のコロナ禍でのマイナス影響による人材育成・教育や採用などへの投資控えからの反動で大幅な伸長が期待され、今後は、IT・デジタル人材の需給ひっ迫を背景に、当該領域の研修、派遣、紹介の全ての分野において堅調に推移していく見通しとしている。