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NTTとKDDI、Beyond 5G/6G時代の光ネットワーク技術グローバル標準化に向け基本合意書を締結

 日本電信電話株式会社(以下、NTT)とKDDI株式会社は17日、光伝送技術やモバイルネットワーク技術ならびにその運用管理技術など、両社が共に強みを生かせる光ネットワーク分野の標準化に向け、基本合意書を締結したと発表した。両社は今後、世界にオールフォトニクスネットワークを中心とした革新的通信技術を広めるため、世界中のパートナーと共にオープンイノベーションを推進し、標準化を目指す。

 NTTとKDDIは、Beyond 5G/6G時代の課題解決に向け、持続可能な大容量の光ネットワークの実現を目指すと説明。また、光ネットワークの研究・開発は、オープンイノベーションで検討を加速し、世界に革新的通信技術を広めるとともに、標準化を目指すとしている。

 電気処理を行わず、光波長信号のまま処理して伝送するオールフォトニクスネットワークは、低消費電力かつ低遅延が特長となる。一方で、さまざまなサービスごとに有限の光波長を効率的に割り当てる手法や、光ファイバー中や光増幅器での伝送品質劣化の抑制が課題となっている。

 両社は、強みとする光ファイバーやそれに関連する通信技術、国内外での社会実装の実績を基に、オールフォトニクスネットワークの実現、拡張、キャリア間の相互接続に向けた標準化活動を推進する。

 また、Beyond 5G/6Gの時代には、新たなサービス体験を提供すべく、より多くの基地局の構築など、モバイルインフラの高度化が求められる。両社は、モバイルネットワークにオールフォトニクスネットワークを適用するための技術の標準化活動を進め、基地局を含むコアネットワーク内や、エッジやクラウドがあるデータセンター間をオールフォトニクスネットワークでつなげることで、モバイル通信・サービスの高度化に寄与する。

 オンデマンドにコアネットワークを構成し、消費電力の削減にも寄与できる、大容量かつ超低遅延でゆらぎのない高品質・高信頼な革新的なコミュニケーションインフラの実現を目指す。

 さらに、Beyond 5G/6G時代には、社会におけるICTリソースがこれまで以上に飛躍的に増大するだけでなく、高い信頼性が求められることから、さまざまなICTリソースの配備と構成の最適化を実現する強靭なネットワークが求められると説明。これに対し、両社はこれまで培った光ネットワークの監視・制御技術の標準化活動を推進し、マルチベンダーシステムにおいても信頼性の高い光ネットワークを実現していくと説明。複数の光ネットワークを協調して監視制御するオーケストレーション技術を両社で検討し、強靭なネットワークの実現を推進するとしている。

 NTTとKDDIは今後、標準化活動を進めるにあたり、オープンイノベーションの推進の場として、Innovative Optical and Wireless Network(IOWN) Global Forumなどの活用の仕方なども含めて検討を行い、将来的にITU-Tなどでの技術の標準化を目指すとしている。

目指す通信インフラの全体像