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NECファシリティーズ、環境負荷低減の支援ソリューションを医薬品/食品/化学工場向けに拡大

 NECファシリティーズ株式会社は13日、主に半導体・電子部品工場を対象に提供していた、全体最適の観点で環境負荷低減の立案を支援するソリューションを、医薬品、食品、化学薬品を取り扱う工場に向けて提供開始すると発表した。

 近年、製造業には、SDGsにみられる環境意識の向上や、世界情勢の影響によるエネルギー価格の高騰など、持続発展に向けてより一層の環境負荷低減が求められている。工場の環境付帯設備は、生産装置を中心にそれぞれが密接に関連しており、例えば排ガス処理設備の能力を改善すると、後工程にある排水処理設備に処理能力を上回る排水が流れこみ、処理しきれなくなるといった悪影響を及ぼすことがある。また、熟練技術者の定年退職に起因する人材不足、技術レベルの低下、設備の老朽化により、最適な設備運用が困難になっているという問題もあるという。

工場が消費・排出する環境負荷の一例
環境負荷低減における「部分最適」と「全体最適」の違い

 NECファシリティーズは、多様な薬品を扱う半導体・電子部品工場を対象に、工場の建設、環境管理や施設管理の事業を展開しており、工場の各設備の関係性を理解し、部分最適ではなく全体最適の視点でさまざまな問題に対応できると説明。このソリューションが、より幅広い業界に必要とされていると考え、これまで提供してきた耐震や劣化、薬品使用量削減などの診断メニューを体系化して、より幅広い顧客に活用できる体制を整備したとしている。

 ソリューションでは、顧客の要望に応じて建設、環境、施設管理の各領域で経験を有し、高い知見を持った専門技術者がチームで対応する。これにより、それぞれの事業領域で知見ノウハウをもつ人材の視点を生かした、スピーディーかつ全体最適な提案が可能となる。

 診断メニューには、耐震、劣化、設備適正、省エネ、性能に加え、薬品使用量や産業廃棄物の削減、顧客の設備管理スキルチェックなど合計9種類を用意。いずれも工場内を歩き、気になった設備のみ抜き取りで簡易的に診断する無償のウォークスルー診断のほか、対象となる設備の丁寧な診断と課題抽出を行う場合、価格は30万円(税別)からとなる。また、解決策の提案から施工まで行う場合は、個別見積もりとなる。

 NECファシリティーズは、今回のソリューションの提供を軸に、環境負荷低減、持続発展に向けた効果的な施策を立案・実行し、持続可能な社会の実現に寄与していくと説明。また、環境負荷およびリスク低減に向けた改修工事、メンテナンス工事、工場建設、施設管理で、2025年までに20億円の受注・売り上げを目指すとしている。