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国内クラウド需要調査、71.1%の企業が「クラウドファースト」戦略~IDC Japan調査
2022年12月2日 09:30
IDC Japan株式会社は1日、国内クラウド需要調査の結果を発表した。調査では、何らかのクラウドを利用中の国内企業(従業員規模100人以上)を対象としたアンケート調査を、2022年9月~10月に実施し、387社から有効回答を得ている。
IDC Japanでは、調査によると国内市場ではクラウドは広く普及し、企業が複数のクラウドを利用するマルチクラウドも一般化していると説明。また、何らかのクラウドを利用中の企業のうち、71.1%が「クラウドファースト戦略(ITシステムの刷新や新規構築時にクラウドを優先的に検討)」を有しており、IT予算は「従来型IT」から「クラウド」へと大きく移行していると分析している。
調査では、企業のクラウド戦略(既存ITシステムの刷新や新規ITシステムの構築時におけるクラウドの導入方針)の理由を、クラウドや従来型ITなどの配備モデルごとに、その理由を尋ねている。クラウドファースト戦略を掲げる企業は、「デジタルトランスフォーメーション(DX)やデータの活用」を、クラウド戦略の理由として上位に挙げている。
一方、クラウドオルソー/ベストフィット(クラウドと従来型ITを同等に検討)や、クラウドラスト(従来型ITを優先的に検討)とする企業では、DXやデータ活用は同戦略を選択した理由の上位項目には入らず、DXやデータ活用を重要視する企業はクラウドファースト志向が高いことが分かったとしている。
また、クラウドファーストを、パブリッククラウドファーストとプライベートクラウドファーストに区分すると、DXやデータ活用は共通して重要視されているが、パブリッククラウドファーストでは「コスト削減」と「IT部門の業務効率化」が上位に挙げられたことに対して、プライベートクラウドファーストでは「ユーザー部門の業務効率化」と「セキュリティ」が重要視されている。
現在、パブリッククラウドを利用する企業は、その豊富な機能を活用してDXの推進やビジネスの迅速性向上を図っており、プライベートクラウドの利用/導入では、ITの信頼性を向上させながら、DX戦略を進めようとしていると説明。多くの企業が、クラウドを活用してDXの推進を図っているが、SaaS、IaaS/PaaS、プライベートクラウドといった配備モデルごとに、そのアプローチは異なっていると指摘する。
IDC JapanでITサービスのリサーチディレクターを務める松本聡氏は、「企業がDXを実践する上で、クラウドが重要なテクノロジー基盤であるとの認識は浸透した。一方、企業がクラウドを使いこなし、DXを推進することは容易ではない。ベンダーは、配備モデルやサービスごとの機能性や特徴を訴求するだけではなく、それらを実現するアーキテクチャの理解をユーザー企業に促すことが重要である」と述べている。