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2022年の国内クラウド市場は前年比37.8％増の5兆8142億円規模、IDC Japan調査
2023年6月28日 12:15
IDC Japan株式会社は27日、国内クラウド市場予測を発表した。2022年の国内クラウド市場は、前年比37.8％増の5兆8142億円（売上額ベース）、2022年～2027年の年間平均成長率は17.9％で推移し、2027年の市場規模は2022年比約2.3倍の13兆2571億円になると予測している。
IDC Japanでは、国内クラウド市場は現在、従来型ITからクラウドへの移行（クラウドマイグレーション）が順調に推移していると分析。中でも、クラウドマイグレーションの対象となるシステム領域／ワークロードが、Webシステムや情報系システムから基幹系システムまで多様化しており、2022年の同市場の成長を牽引した。また、2022年3月以降、急速に進んだ円安の影響や部材の高騰により、製品／サービスの単価が上昇したことも同市場の成長に寄与したとしている。
2023年の国内クラウド市場は、2022年と比較すると大幅な成長鈍化を見込んでいる。これは、2022年の成長が、製品／サービスの単価の上昇や、ハードウェア製品の供給不足からの回復といった要因によって底上げされた側面があり、その反動によって前年比成長率が抑制されることが大きな要因だと分析。また、2023年の国内クラウド市場規模が7兆円を超え、国内エンタープライズIT市場における従来型ITを超える規模まで拡大したことも大きな要因となっているとしている。
国内企業の動向については、デジタルトランスフォーメーション（DX）／データ駆動型ビジネスに対する企業の関心が非常に高い状況が継続しており、また、DX／データ駆動型ビジネスを実践するIT環境として、クラウドの重要性は高まっていると分析。しかし、DX／データ駆動型ビジネスは企業の経営戦略に直結すると共に、企業文化や組織の変革、デジタル人材が求められるため容易ではなく、そのため、現在の国内クラウド市場では、ITや業務の効率化を目的としたクラウドの導入／利用が中核となっているとしている。
ただし、DX／データ駆動型ビジネスに対する企業の投資は拡大しており、今後の国内クラウド市場を牽引すると予測。一方、クラウドマイグレーションに支えられ、高い成長を遂げてきた国内クラウド市場リプレイスメント／効率化は、DX／データ駆動型ビジネスへの発展（クラウドジャーニーの発展）や規模が拡大したことにより、2024年以降、急速に前年比成長率が低下していくと予測している。
国内クラウド市場では、その成長の牽引役が「クラウドマイグレーション（リプレイスメント／効率化）」から、「DX／データ駆動型ビジネス」に移行し始めており、ITサプライヤーは、目先の大きな需要である「クラウドマイグレーション」と、今後の大きな成長領域であるDX／データ駆動型ビジネスを連携させる必要があると指摘。IDC Japan Software & Services リサーチディレクターの松本聡氏は、「ITサプライヤーは、内製化支援の強化やFinOpsといった新しいアプローチに積極的に取り組むと共に、DXユースケースを設定してオファリングを整備する必要がある。また、最近高い注目を集めるGenerative AI（生成AI）の活用を意識したユースケースの設定にいち早く着手することが重要である」と述べている。
