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マクニカ、異常検知ソフトウェア「icetana」を用いて施設警備における課題解決を支援

 株式会社マクニカのクラビス カンパニーは27日、ビデオ分析ソリューションを提供する豪icetana Limitedへ出資し、日本での独占販売権を獲得したと発表した。これに伴いマクニカでは、販売戦略や新たな技術開発での連携を強化し、同社の異常検知ソフトウェア「icetana(アイセタナ)」を用いた、施設警備における課題解決に注力するとしている。

 「icetana」は、AI画像解析技術を活用し、異常やその予兆を防犯カメラ映像から発見するソフトウェア。AI画像解析技術を使った多くの監視カメラシステムでは、あらかじめ想定された“特定の事象”を検知する仕組みが採用されているのに対し、「icetana」では、カメラごとに画素の動きの傾向を常に学習し、通常と異なる映像のみを検知する機能を備えている。

 また、検知する対象は人やモノではなく、画素の集合を検知するので、火災、侵入、逆走、転倒、集団など、さまざまな場面に対応可能。通常状態を常に学習し、その差分から異常を検知する仕組みにより、検知したい対象の変更や環境変化などにも自動で適応でき、運用の手間を最小限にとどめられるとした。

 こうした特徴により、監視員は「icetana」によって検知された映像のみの確認に集中できるため、多数の監視カメラ映像から効率的に異常を発見し、迅速に対応可能になる点がメリット。警備の品質向上や最適化を実現するという。

 さらにカメラについても、現在利用中のものをそのまま活用可能なことから、導入コストを抑え、短期間での導入を行えるとのこと。

 マクニカでは、「icetana」をソフトウェアとして提供するのみならず、導入効果の試算や現場運用への適用など、利用企業が期待する成果を得られるまでサポートを提供するとのことで、具体的には、現場調査から必要なシステムを選定し、機材の調達・構築まで実施したり、省人化・品質向上を実現するための最適な警備オペレーションを提案したり、導入効果の試算と実証実験などを行ったりできると説明している。

 なお同社は、icetana社への出資と販売契約の締結により、日本に加え、ブラジルでの独占販売権と欧州における優先販売権を獲得した。今回の出資をきっかけに、より幅広いパートナー企業と協業し、空港や物流施設、スマートシティなど、警備に課題を持つ施設への展開を促進する考えだ。