ニュース

2021年の国内ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム、VMwareとシスコの2社で70%近いシェア~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は19日、SDN(Software-Defined Network)に代表されるネットワーク仮想化/自動化の主要構成要素である、国内ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム市場に関する2021年のベンダーシェアを発表した。

 ネットワーク仮想化/自動化ソリューションは、技術的成熟と顧客における一定程度の受容とともに、国内市場は安定した成長市場になっていると分析。こうしたネットワーク仮想化/自動化技術の定着と成長を牽引してきたVMwareとシスコシステムズは、2021年はいずれもプラス成長を達成し、2021年もこの上位2社で国内ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム市場の70%近いシェアを占めたと推計している。

 VMwareは、データセンターでオーバーレイネットワークを構築する最も代表的な手法/製品としてのVMware NSX-Tを擁し、VMwareの仮想化環境を構築しているユーザーを中心に高い支持を集めていると分析。国内ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム市場全体およびデータセンターネットワーク向け、さらには提供形態別で分類したNVO(Network Virtualization Overlay)ソフトウェア市場においても首位を維持しており、NVOソフトウェア市場における2021年のシェアは74.5%に達したとしている。

 シスコシステムズは、データセンターと企業ネットワークのいずれもネットワーク仮想化/自動化のリーディングベンダーで、データセンターネットワークでは運用管理の一元化を実現するCisco Nexus Dashboardの投入とソリューション強化が、データセンターネットワークソリューションの競争力を高めていると分析。企業ネットワークでも、無線LANを中心にトラブルシューティングや運用を支援するアシュアランス機能を目的とした、Cisco DNA Centerの導入が特に売り上げ増加に寄与しており、コントローラーアプライアンスにおける市場シェアは85%を超えたとしている。

IDC Japan コミュニケーションズ/ITサービス グループディレクターの草野賢一氏は、「ネットワーク仮想化/自動化に関する製品や技術は成熟化しつつあり、重要な技術として定着する一方で、顧客の関心を呼ぶ新たなテクノロジーという側面は薄れている。こうした市場の変化に応じて、ネットワーク仮想化/自動化ベンダーにおいては、製品やマーケティング戦略のアップデートが不可欠である。戦略のアップデートに当たっては、ネットワーク仮想化/自動化を包含するネットワーク全体の将来像と製品戦略を描き、個別の製品よりもまず全体像を訴求することである」と述べている。

国内NVOソフトウェア市場、コントローラーアプライアンス市場 ベンダー別 売上額シェア、2021年(出典:IDC Japan)