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日立、サステナブル経営の推進に向けESGデータの収集・可視化・分析を効率化するサービスを提供

 株式会社日立製作所(以下、日立)は7日、企業内のESGデータの収集・可視化・分析を効率化して、サステナブル経営を推進する「ESGマネジメントサポートサービス」の販売を開始した。

 ESGマネジメントサポートサービスは、CO2削減量・安全衛生・不正リスクといったさまざまなESGデータの効率的・効果的な分析・開示に向けて、ESG項目ごとに各業界で求められている開示項目のテンプレートと、データ収集・可視化・分析などの各種機能を提供するクラウドサービス。

ESGマネジメントサポートサービスの概要

 サステナブル経営に向けてESGデータを収集・可視化するサービスを、部署やプロジェクト単位で契約可能なクラウドサービスとして提供し、スピーディーかつ低コストで実装する。また、アカウント統合機能により、各部署との連携も容易にできる。そのため、全社単位で大規模構築・導入をせずとも、例えば「工場における温室効果ガスの削減を進めたい」というように、1プロジェクトから段階的に取り組むこともできる。

 メールやExcelなど既存の仕組みを活用したESGデータの入力・管理ツールにより、作業者が使いやすい形で収集業務を効率化する。システム経由で、収集したい情報の定義(作成)から、依頼メールの一斉送信、収集先における必要項目の入力・返送など、データの収集・管理を手間なく実施できる。各部署から収集したファイルは自動でデータベースに取り込まれ、業務ごとに集計・一元管理されるほか、収集データを活用できる。

 収集状況に応じて、自動エラー機能により回答データの不備をアイコンで可視化することや、リマインド機能により未回答者に定期的に自動通知できる。また、組織情報と連携することで、組織変更や人事異動時にも迅速に対応できる。

 収集データはBIツールを活用し、部署・経年・施策別に可視化する。例えば、CO2削減量・安全衛生・知的財産といったサステナブル経営に求められる各種項目を選択すると、現状と経年推移など一覧で表示できるほか、各数値の増減要因などの定性情報(テキストデータ)も把握できる。また、あらかじめ目標値を設定し、実績値と比較することで、ESG施策の見極め・進捗状況の把握などを行い、経営判断や追加施策の検討につなげられる。

 日立では今回の販売開始に先がけ、日立建機株式会社において安全衛生をテーマに実証実験を行い、リスクアセスメントに必要となるデータの収集において約34%の作業工数削減を達成するなどの効果を確認した。サービスは一連の実証を経て、日立建機に本格採用され、8月から日立建機の安全衛生部で稼働を開始しているという。

 日立は、サステナブル経営の推進に取り組む日立の関連部門をはじめ、グループ内への適用を進めており、自社での取り組みをベースに、機能追加・改善など継続的にサービスの強化を図ると説明。デジタルイノベーションを加速するLumadaを核に、企業のサステナブル経営の推進に向けたDXを支援し、長期的な企業価値向上に貢献していくとしている。

 ESGマネジメントサポートサービスの価格は個別見積もり。提供開始は2023年1月。