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パーソルP&T、独自のチーム強化メソッド「COROPS」を発表
「チームの生産性向上の教科書」となる書籍を無償提供

 パーソルプロセス&テクノロジー株式会社(以下、パーソルP&T)は8月23日、チームの生産性向上に関する経験とノウハウを集約した独自のチーム強化メソッド「COROPS(コロプス)」を発表した。今回の発表第1弾として、チームで業務を行うすべてのビジネスパーソンに向けた「新時代に適したチームの生産性向上の教科書」だという、200ページ以上のチーム強化メソッドを無償で提供する。同日には、「COROPS」の概要や今後の展開について記者説明会が行われた。

 「COROPS」は、仕事のしやすい仕組みをつくることで成果を創出し、変化にあわせて継続的に改善/進化することを目的とした、同社独自のチーム強化メソッド。このメソッドをもとに、現場の担当者が現状の課題を把握し、あるべき姿に向けて実行と改善、振り返りを繰り返すことで、チームの生産性や関係性の向上につなげることができるという。

 パーソルP&T ビジネスエンジニアリング事業部 事業部長の小野陽一氏は、「COROPS」を提供する背景について、「テクノロジーの急激な進化や新型コロナウイルスの感染拡大など、将来予測が困難な状況にある現代は“VUCAの時代”といわれている。その中で、日本でも働き方改革が進み、働く環境は着実に変化しているが、パーソルグループの調査によると、日本は世界と比べて自分の仕事に喜びや楽しさを感じていないという結果も出ている。そこで当社では、ビジネスのあらゆる現場において、より良い仕事の進め方を実現していくことが最も重要だと考えた。そして、20年間にわたるアウトソーシング事業で培ってきたチームでの仕事の進め方を可視化・研究した成果として、『COROPS』が誕生した」と述べた。

パーソルプロセス&テクノロジー ビジネスエンジニアリング事業部 事業部長の小野陽一氏

 「『COROPS』は、これまで当社が1600チーム以上の運営や業務実行、改善を行ってきたノウハウを結集し、ビジネスプロセスを可視化することで、仕事の進め方に革命を起こすチーム強化メソッドとなっている。また、当社のノウハウだけでなく、ITサービスマネジメントの国際的な品質保証規格であるITSMS(ISO/IEC20000規格)や、ベストプラクティスのITILをベースとしており、先行きが不透明なVUCAの時代に適した『チームワークの教科書』ともいえる内容になっているのも大きな特徴だ。今回、この『COROPS』のチーム強化メソッドをまとめた約200ページの書籍を公開し、無料でダウンロード提供する」(小野氏)としている。

 「COROPS」の概要としては、チームで業務を行う上で意識すべき事柄の抜け漏れを防ぐために、独自のプロジェクトマネジメント管理メソッドとなる要素を体系的に整理している。具体的には、使命(Mission)、基準(Measurement)、方法(Method)、仲間(Member)の「4つの視点」と、立ち上げ/準備(Setup)、短期間の活動/振り返り(Sprint)、棚卸し(Stock)の「3つの局面」を枠組みとし、「4つの視点」では、さらに9つの項目に細分化、合計27エリアを個々に見ることができる。

 これにより、いつ、何を、どのようにすべきかが明確になり、成果を上げやすい仕事の進め方を可能にする。また、従来のプロジェクトマネジメント手法(PMBOKなど)とは違い、“仕事の進め方の教科書”といえるため、人事・経理・総務・ITサポートなど、幅広く管理部門や間接部門などの現場で活用することが可能となっている。

チーム強化メソッド「COROPS」の概要

 「COROPS」のサービス化にあたっては、「チームの生産性を上げる」の著者である、組織変革Lab主宰・なないろのはな取締役の沢渡あまね氏がアドバイザーを担当した。「COROPS」の冊子の公開において、第三者的な立場でアドバイスを行ったほか、今後は、サポートサービスの「COROPS研修」などにも登壇する予定。

 沢渡氏は、説明会のトークセッションで、「一人ひとりの創意工夫と努力で組織を成長させるという、これまでの仕事の進め方は限界に近づきつつあると感じている。その中で、仕事のプロセスを軸に、テクノロジーを掛け合わせて、チームの働き方を変えていくというパーソルP&Tの姿勢に共感した。私は、組織を改善し続けていくためには、『余白』と『主体性』の2つが重要だと考えている。そして、この2つをチームに生み出すためには、仕事のプロセスを可視化し、情報共有することが不可欠になる。今回の『COROPS』を活用することで、こうした改善し続けられる仕事の進め方を実現することが可能となる。また、従来の『PMBOK』は“作る”ための教科書で、有期の活動向けのプロジェクトマネジメント手法であるのに対し、『COROPS』は“動かし続ける”ための教科書で、チームの成長にフォーカスした無期の活動向けのメソッドとなっている点も大きな特徴である」と語った。

組織変革Lab主宰・なないろのはな取締役の沢渡あまね氏

 今後の「COROPS」の展開について、パーソルP&Tの小野氏は、「第一弾として『COROPS』の書籍を無償提供したが、今後は、書籍でやり方を伝えるだけでなく、実際に組織がチーム強化メソッドを実行するためのサポートサービスを拡充していく。まず、チームの状態を定期的に把握できるアセスメントレポート『COROPSアセスメント』を9月中にサービス提供する。11月以降には、『COROPS研修』を開始し、『COROPS』の説明動画と検定試験を受講してもらうことで理解を深めやすくする。そして、来年4月以降に、ポータルサイト『COROPS WEB』を公開し、仕事の進め方でよく課題に挙がるトピックに対して参考になる具体的なノウハウやナレッジを提供していく」との計画を明らかにした。

今後提供開始予定の「COROPS」のサポートサービス