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NTTデータ、先進技術活用力の獲得を目指す「イノベーションセンタ」を6カ国に設立

 株式会社NTTデータは19日、世界6拠点に「イノベーションセンタ」を設立し、活動を開始すると発表した。

 イノベーションセンタは、最新技術に対する感度が高い各国に拠点を設置し、5~10年先に主流となるであろう先進技術を見極め、顧客との共創R&Dを通し新たなビジネス創出に取り組んでいく。

 具体的には、技術戦略を策定する戦略本部と、日本・北米・イタリア・ドイツ・中国・インドのローカルセンタ6カ国で構成し、リサーチャー、コンサルタント、エンジニアを中心としたエキスパート100人の体制でスタートする。各拠点に技術戦略に基づいた技術テーマを設定し、先進的な顧客との共創R&Dを進めるほか、大学やスタートアップとの連携により、現地で先行する技術情報をいち早く収集し、次の技術戦略に生かしていくとしている。

 戦略本部は、グループ全体の中長期の技術戦略を策定し、実現に向けてローカルセンタ連携をコーディネートする役割を担う。各ローカルセンタから戦略本部に集約された多数の技術候補から、各地域の技術・マーケット動向等を踏まえ、取り組みテーマを選定しR&Dを推進する。

 ローカルセンタは、検討・提案の活動拠点で、R&D・プロトタイプ開発・各種ドメインのエキスパートを配置する。戦略本部の方針をもとに先進技術の可能性を探り、国内外のイノベーター顧客との関係構築・共創型のR&Dを推進する。また、先進技術の目利きとして、大学・スタートアップとの関係強化を進め、現地で先行する技術情報を幅広く収集する。

 各イノベーションセンタの主な技術テーマとしては、日本ではNTT研究所技術のゲノム、メタバース、量子コンピューター、北米では顧客接点関連技術のデジタルヒューマン、スマートシティプランニング、イタリア・ドイツではデータ処理・シミュレーション技術の量子コンピューター、デジタルツイン、中国ではハードウェア関連技術などのリモートセンシング技術(LiDAR)、メタバースに取り組む。インドでは、プロトタイプ開発の拠点としての体制づくりを進めていく。また、テーマは技術の選定結果により、随時追加・変更を検討する。

 NTTデータでは、イノベーションセンタは2022年度、グローバルでの連携体制を強化し、先進技術ノウハウの蓄積、顧客との共創パートナーシップを目標に活動を行うと説明。現在、先行して量子コンピューター・メタバースなどの技術検証・顧客提案の取り組みを進めており、2025年度末までに300人体制に増強し、世界トップクラスの先進技術活用力の獲得を目指す。また、2025年までに、先進顧客との中長期R&Dパートナーシップを50件以上創発することを目標としている。

イノベーションセンタの活動領域
イノベーションセンタの取り組み方針