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アドバンテックとCanonicalが協業、組み込みPCなど32機種のUbuntu認証・プリインストールモデルを販売

 アドバンテック株式会社は4日、英Canonicalとの協業により、Ubuntu OS認証済みプリインストールモデルの展開を進めると発表した。

 アドバンテックでは、同社が販売する組み込みボードやエッジコンピューターに対して、Ubuntu Linux OSを個々のハードウェア構成に合わせた構成でビルド・プリインストールし、CanonicalによるUbuntu認証がなされた状態でのワンストップモデルとして販売する。販売機種は2022年4月時点で32機種。

 Canonicalは、アドバンテックの製品を認証することで、AIロボット、製造業、ミッションクリティカルアプリケーション分野のユーザーに対して、最大10年間のLinuxセキュリティとアップデート機能をサポートする。

 アドバンテックとCanonicalは、Linux OSを利用するユーザーに、迅速な開発環境の構築。システムの市場投入・量産展開を実現するために今回の協業を開始したと説明。Canonicalは認証にあたって、対象システムに対してUbuntuの個々のI/Oが正常に機能するかなど、産業用グレード基準を確認するテストを実施する。

 ハードウェアに最適化・認証された状態のUbuntuを、組み込みPCとセットで提供することにより、ユーザーがハードウェアにLinux OSのビルド、設定を行う時間や、動作確認・評価を行う時間を節約できると説明。各自でのOSビルドを検証のプロセスを、従来の10日間から1日間に短縮でき、量産段階では1台あたり30分以上のOS構成に関する生産時間の短縮が可能としている。

 また、Canonicalとアドバンテックは、IoTデバイスや組み込みシステム向けに設計されたトランザクション版Ubuntuである、Ubuntu Coreを認定した。Ubuntu Coreは、セキュアブート、フルディスク暗号化、安全なデバイスリカバリー、クラウド型CI/CDサービスによる無線でのトランザクションソフトウェア更新を提供し、アップグレードリスク低減とオンサイト修復の必要性を軽減させる。Canonicalは、Ubuntuのリリースライフサイクルを通じて、認証済みハードウェアの継続的なリグレッションテストを提供する。

 これにより、過去バージョンとの互換性を保証した上で、最大10年間のセキュリティアップデートをサポートする。また、アドバンテックは、Canonicalが提供するIoTデバイスとUbuntu OSのワンストップ・アフターサービスを提供する。