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DNPのテストマーケティング支援サービス、店頭施策の効果をAIで予測する機能を強化

 大日本印刷株式会社(以下、DNP)は1日、メーカーに対して、発売前の商品の売上予測シミュレーションや小売店舗でのテストマーケティングなどを支援する「DNPテストマーケティング支援サービス」において、AIによる売上予測機能を拡充したと発表した。

 DNPテストマーケティング支援サービスは、メーカーに対して、発売前の商品の売上予測シミュレーションや小売店舗でのテストマーケティングなどを支援するサービス。実店舗の棚での商品の陳列方法や販促物の設置による売上動向の違い等を分析し、マーケティング施策の結果を定量的に予測する。

 DNPは今回、ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社(ユニリーバ・ジャパン)と共同で実証実験を行い、機能の一つである、店頭のマーケティング施策の効果を事前シミュレーションする「AI売上予測システム」の精度向上と機能拡充を図った。

 このAI売上予測システムは、利用企業や競合他社の商品の、店頭での販売価格、棚に置かれる位置(棚割り)、店頭設置の販促物などによる売上の変化を、あらかじめAIに学習させた多次元予測モデルを用いてシミュレーションする機能。発売前の商品の適切な価格やパッケージ、他社商品との競合状況、効果的な販促ツールなど、トータルな施策の効果に関し、生活者が商品を支持する度合いを測る指針の1つ「PI値」で予測する。

 今回の強化では、POPのデザインプランの有無に加え、POPに使用する背景色(ベースカラー)やフォントのサイズ・太さといったデザイン要素が、どのように販売動向が変わるかといった予測を行う機能を利用可能にした。

 ユニリーバ・ジャパンとの実証実験では、シャンプーやコンディショナー等、風呂で使うヘアケア商品(合計34商品)を対象に、複数タイプのPOP(スイング式、棚のレール用のカード、バックボード等)のデザインや設置個所等による効果の違いについて、POSデータに基づいて分析したところ、PI値の上昇に寄与する要因を発見した。

 これにより、生活者に購入を促す店頭POPのデザイン要素(色使いやフォントの大きさ・太さ)など、複数の要素を加味した商品棚づくりのシミュレーションと売上予測が可能になったとのことだ。

 AI売上予測システムによる分析・提案の価格は、1ブランドあたり330万円(税込)から。