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日本NCR、次世代店舗を支える統合基盤「NCR コマースプラットフォーム」を発表

中核となるAPIサービスなどを販売開始

 日本NCR株式会社は24日、小売店・銀行・外食業向け次世代プラットフォーム「NCR コマースプラットフォーム」を発表した。

 日本NCRの代表取締役社長である小原琢哉氏は、「物理店舗をデジタルで改革し、フィジカルな店舗を持つ強みをさらに強めていく。リアル店舗とバーチャル店舗をつなげながらどういうビジネスを強化する」と説明。全世界の店舗、銀行、外食を顧客に持つ同社が、デジタルとの連携や融合するため、マイクロサービスとの連携、データ分析などを行い、短期間に効率よく自社のプラットフォームを開発できるNCR コマースプラットフォームを提供するとした。

日本NCR 代表取締役社長の小原琢哉氏

NCRのミッション「RUN the X」

 今回の発表は、「世界のレストラン・小売・銀行の円滑な事業の運営と継続を全面的にサポートする№1テクノロジープロバイダーとなる」という、NCRのミッション「RUN the X」にのっとっているという。

NCRのMission “RUN the X”

 デジタルとリアル店舗の融合は多くの企業が標榜しているが、米国の4大銀行など、店舗を展開する小売・銀行・外食業を顧客に持つNCRでは、デジタル社会が進展した結果、実店舗の価値が再定義されていることに着目。顧客とのエンゲージメントを高める場として、あるいは、ECサイトで注文した商品を受け取るといった配送や物流の拠点としても、店舗の価値が見直されていることなどを挙げ、実店舗の存在価値が再度高まっていると指摘する。

 またコロナ後を見据えて、店舗の従業員を接客など店舗本来のビジネスに集中させることの必要性や、店舗内にタブレット、デジタルサイネージなどのデジタル機器が多数設置され、システムが複雑化している中で、顧客体験価値をどのように向上させるのかといった点を課題として挙げる。

 「課題を解決するためには、必要なサードパーティを包含した確かなインテグレーション機能と、すべてのテクノロジーをオペレーションとつなげてカバーするトータルなサービスが必要。こういったものをつないでいくことで、お客さまの成長を支援していく。それを実現するのがNCRコマースプラットフォームだ」(小原氏)。

“RUN the X”設定の背景
“RUN the X”の提供価値

 RUN the Xを実際のビジネスとして展開するために、日本より数年進んでいる欧米のナレッジを「aaSプロダクト」に集約し、ベストプラクティスとしてコンサルティングにより提供していく。

 小原氏は、「実は、発表会を行った2月24日は、102年前に日本法人が発足した記念日となる。NCRというと多くの方が、『レジスターを日本に持ってきた会社』と思われているが、実は、NCRが日本に持ち込んだのはレジスターという製品ではなく、小売業をセルフサービス型にしたスーパーマーケットというビジネスモデル。70年前にスーパーマーケットというビジネスモデルを持ち込み、それ以外にも日本初となるものをいくつも持ってきた」と述べ、日本に新しいビジネスモデルを持ち込む役割を果たしたという、NCRの特性をアピールした。

“RUN the X” ビジネスの展開イメージ

店舗を再定義する新製品「NCRコマースプラットフォーム」

 その日本NCRでは、今回、店舗を再定義する新しい製品として、NCRコマースプラットフォームの提供を始める。米国で1月に行われた小売業向け展示会で発表され、「米国でも、短期間で効率よく、小売業にとって必要なプラットフォームを開発できると好評だった」(日本NCR マーケティング本部 本部長の間宮祥之氏)という。

 小売業向け、銀行向け、外食業向けでそれぞれに異なる点はあるものの、クラウド上にあるプラットフォームとAPIを通じて、サードパーティ製のマイクロサービスを活用したエコシステムや、効率的な自社開発を実現することにより、市場や顧客の変化への対応を迅速に実現するためのプラットフォームである点は共通する。

 「インテグレーションが非常に容易であること、クラウドネイティブで大量のデータであっても瞬時に扱えること、スクラッチではなくプラットフォームを生かしたDIYによる変化に迅速に対応した開発ができることという3つがポイントとなる」(間宮氏)。

NCRコマースプラットフォームの顧客価値

 具体的に製品を構成するのは、次の4つだ。

 1つ目は、自社開発をはじめ、NCRが提供するものやサードパーティが開発したマイクロサービスを活用することで、開発の効率化やスピードアップを実現するAPIサービス「NCR ビジネスサービスレイヤー(BSL)」。

 POS、SCO、Eコマースなどの販売チャネルやバックオフィスから収集したすべてのデータは、クラウドに流れ、共通のプラットフォームで利用・共有される。これにより、すべてのビジネスデータだけでなく、NCRアナリティクス、コンピュータビジョン、小売業変革コンサルティングサービスなど、このデータを活用し、価値を付加するさまざまなプラットフォームアプリケーションやサービスにとって、一元的な情報ソースとなる。また、これらの情報ソースと店舗システムのシームレスな連携も実現可能だ。

 3月1日から販売を開始し、サービス開始は7月1日から。販売予定価格は、デバイスあたりの基本料金が月額1200円から。日本NCRでは、マイクロサービス開発者向けに、API情報・開発のための詳細情報を公開するサイトを提供し、詳細な技術情報を公開していくことも計画している。

API Service(BSL)の概要

 2つ目は、店舗情報分析ツール「NCR Analytics」。店舗や従業員のパフォーマンスをリアルタイムに把握し、データに基づいた意思決定を行うことで、店舗運営の管理と最適化を可能とする。小売業のデータ分析が記述的分析からAIによる予測的洞察へと進化するにつれ、その洞察力はさらに強力なものとなり、より優れたビジネス成果をもたらすという。

 この導入により、あらゆるデータを一元管理し、統計的に分析することにより、作業工数や従業員の生産性が改善するとのことで、同社によれば、報告書作成時間が30%削減するなどのメリットが出るとのこと。

 3月1日から販売を開始し、サービスは7月1日から開始する予定となっている。基本料金は、1シートあたり月間9000円から。

NCR Analyticsの概要

 3つ目は「デジタルコネクテッドサービス」。日本NCRが提供している機器だけでなく、他社が納入したIT機器も一括管理可能にする。これにより、店舗スタッフはITサポート業務から解放され、本来の業務に集中することができるようになるとした。

 全米において、スーパーセンター、ディスカウント、食品スーパーの3業態を4700店舗展開する企業では、稼働状況を本社から一括管理し、ドリルダウンを活用することにより、地図から、特定の店舗の特定の機器の稼働状況確認が可能となった。サービス提供開始時期、価格などは未定となっている。

 4つ目は、店舗自体を仮想化するSoftware Defined Store「NCR Edge(SDS)」。ハードウェア、ソフトウェアを完全にアンバンドリングすることで、ライフサイクルが異なるものをそれぞれのライフサイクルで利用することが可能となる。

デジタルコネクテッドサービスの概要
NCR Edge(SDS)の概要

 日本NCRではこれらのソリューションを、デジタル化の進展により、小売業・外食業・銀行において来店前、店内でのアクティビティ、来店後の3つカスタマージャーニーの多様化に対応し、顧客体験価値の向上を目指す、カスタマージャーニーの多様化に対応できるプラットフォームとして展開。小売業・外食業・銀行のDX実現を支援していく考えだ。