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ソフトバンクと日立、製造現場のDX推進サービス提供に向けて協業を開始

 ソフトバンク株式会社と株式会社日立製作所(以下、日立)は30日、製造現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するサービスの提供に向けて、協業を開始したと発表した。

 ソフトバンクと日立では、労働者不足や生産性向上といった製造業の課題に対して、各製造現場のニーズや課題に合わせて柔軟に導入できるサービスの提供に向け、2021年からサービス構成や提供方法について検討を進めてきたと説明。今回、基本的なサービス構成などが定まったことから、製造現場のさらなるDX推進を目的に、5GやIoT、AI、マルチクラウドなどを活用した製造現場可視化サービスの提供に向けて、協業を開始したとしている。

 両社は協業により、製造現場における作業員の動作や生産設備の稼働データなどの4M(huMan、Machine、Material、Method)データを収集・蓄積・分析して、生産状況を可視化するサービス(以下、製造現場可視化サービス)を提供する。この製造現場可視化サービスにより、生産ロスの要因を速やかに特定可能にすることで、製造現場における生産性の向上を支援する。まず、試験導入する製造業の顧客を募集し、検証を行った上で、2023年度内をめどにソフトバンクが提供を開始する予定。

サービス構成のイメージ

 製造現場可視化サービスでは、現場に設置したエッジカメラやIoTセンサーにより4Mデータを収集し、クラウド上に蓄積して分析することで、リアルタイムに生産状況を可視化する。設備の稼働率や生産ロスの発生状況、4Mデータの分析結果などを管理画面からいつでも確認でき、作業員の不足や設備の故障、工程の滞留といった生産ロスの要因を速やかに特定し、改善につなげられる。

 また、ソフトバンクと日立が、両社の持つITとOTに関するノウハウなどを生かして、DXの計画立案に向けた各製造現場のニーズや課題の整理から、課題解決の手法や技術の検討、最適な形態でのサービスの導入までをワンストップでサポートする。

 ソフトバンクは、法人向けの5Gマネージドサービス「プライベート5G」などのネットワークサービスや、各種クラウドサービスを活用して、4Mデータを蓄積するためのネットワークインフラ基盤を構築する。サービスはマルチクラウドに対応し、環境に応じて最適なクラウドサービスを選択できるほか、国内だけでなく海外の工場のデータも専用ネットワーク経由で収集できるため、国内外に複数の工場を持つ企業も、各工場の生産状況を柔軟かつセキュアな環境で確認できる。

 今後は、ソフトバンクが持つ5GやAI、IoT、クラウドなどの最新技術の知見と、日立が培ってきたITやOT、プロダクトの実績・ノウハウや、Lumadaソリューションを掛け合わせることで、サービスラインアップを拡充し、製造業のDX推進を加速させていくとしている。