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NTT Com、積雪状況を分析・可視化して除雪業務の効率化を図る実証実験 車載カメラの映像データとAIを活用

「可視化プラットフォーム」イメージ

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は4日、積雪量の多い地域での除雪業務の効率化、および住民サービスの向上を目的として、車載カメラを通じて収集した映像データを利用し、AIで積雪状況を分析・可視化する実証実験を開始すると発表した。山形県との連携のもと、同県の米沢市と高畠町で実施する。

 全国有数の豪雪県である山形県では、積雪による交通機関への影響や停電などが、人々の生活や経済活動に大きな影響を及ぼしており、除雪・排雪作業は住民の負担になっているという。また、昨年度12月中旬の雪の降り始めから3月末までの間に、米沢市で約1400件、高畠町では約300件の除雪などに関する問い合わせがあり、積雪状況や除雪の緊急度把握が大きな課題になっているのこと。

 そこで今回は、こうした課題に対応するため、積雪状況のリアルタイムな可視化による状況把握の効率化や、緊急度に応じた除雪車の早期手配など、住民サービス向上を目指して実証実験を行うとした。

 具体的には、クラウド録画カメラサービス「coomonita(コーモニタ)」で撮影された車載カメラの映像を加工し、HERE TechnologiesのHERE Maps APIを用いてリアルタイムに地図上へとマッピングする。

 2022年2月4日~2月28日のステップ1では、道路を中心とした積雪状況の映像データを収集し、個人情報をマスキングした上で、リアルタイムに「可視化プラットフォーム」の地図上に画像として表示し、可視化したデータを自治体へ提供する。

 また同年12月に予定しているステップ2では、積雪状況、道路の幅員、事故、道路陥没状況などをAIで画像分析し、結果を自治体へ提供するとしている。

 なお今後は、今回の実証実験の成果を踏まえて積雪アラートなど機能の追加開発を行うほか、AIアルゴリズムを高度化させ、積雪状況だけでなく道路の損傷検知や地域防犯へ活用範囲を拡大するとともに、全国への展開を目指す考えだ。