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“違う企業”になったIBM ハイブリッドとAI重点で好調な決算に

さらに再編は進む

 アナリストも今回の結果に好意的だ。

 「ハイブリッドクラウドとAIへの戦略的なフォーカス、営業の簡素化、パートナーエコシステムへの大規模な投資が成果を生み始めた証拠」(IDCのシニアバイスプレジデント、Bob Parker氏)。

 「Kyndrylの分社化で、IBMはグローバルのシステムインテグレーターとの協業が進めやすくなった」(Gartnerのディスティングイッシュト・バイスプレジデント、Arun Chandrasekaran氏)など、Wall Street Journalにコメントしている。

 一方、IBMはポートフォリオの整理も進めている。その最新の動きが、ヘルスケアデータとアナリティクスのWatson Healthの売却だ。1月21日、Watson Healthの大部分を投資ファンドのFrancisco Partnersに売却すると発表した。

 ヘルスケア分野では、MicrosoftのNuance Communications買収など競合も活発に動いている。だがCNN Businessによると、Watson Healthはほとんど利益が出ていなかったという。IBMの象徴である「Watson」の名を冠した事業も大胆に整理されたことになる。

 半面、必要な技術の取得も進めており、2021年だけで15社を買収した。多くはハイブリッドクラウドやAIを補強するもので、今年に入って早々、環境データ分析のEnviziを買収することも発表している。

 Arvind Krishna CEOは「キャッシュフローは100億から105億ドル」と述べ、今後も買収を続けることを示唆している。

 Forrester ResearchのバイスプレジデントでプリンシパルアナリストのTed Schadler氏は、以前のIBMは「縮小するビジネスに手を出しすぎて、成長するビジネスに十分な投資をしていなかった」と述べ、こうした変化を評価する。

 就任から2年がたったKrishna CEOも自信を見せている。「正しいポートフォリオがあり、顧客の需要があるところ、市場の需要があるところで成長できる」