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日立、SAP HANA環境の構築・運用サービス「SAP HANAクラウドサービス」でGoogle Cloud対応版を提供

 株式会社日立製作所(以下、日立)は6日、SAP HANA環境の構築から運用までを一括して提供する「SAP HANAクラウドサービス」について、Google Cloud対応版の販売を開始した。

 SAP HANAクラウドサービスは、SAP HANA基盤のアセスメント、設計、クラウド上での環境構築から運用管理までを一括して提供するサービス。日立はこれまで、自社のデータセンターを介してサービスを提供してきましたが、デジタルトランスフォーメーション(DX)加速に伴うパブリッククラウド対応の第一弾として Google Cloud 上でのサービス提供を追加した。

 サービスは、日立および日立ヴァンタラ子会社のoXyaでの、1000プロジェクトを超えるSAP HANAシステムの導入実績や、パブリッククラウドの技術・ノウハウを活用。日立のエンジニアが、顧客のSAP HANA基盤の環境設計・構築から、運用、問い合わせ対応まで、ワンストップでサポートすることで、安心して利用できる環境を迅速に提供する。

サービスイメージ図

 日立では、SAP ERPの標準サポートが2027年に終了することを契機に、SAP S/4HANAへの切り替えが進められており、その基盤となるSAP HANAを安定稼働させるサービスとして、SAP HANA クラウドサービスを提供してきた。

 一方、企業ではデジタル技術を活用したデータドリブンな経営判断を迅速に行うことが求められており、多くの経営データが蓄積される基幹システムの、パブリッククラウドへの移行が加速していると説明。Google Cloud には、データウェアハウス「BigQuery」や、データ分析プラットフォーム「Looker」などのサービスがあり、SAP S/4HANAをGoogle Cloud上で動かすことで、企業は需要予測や購買動向分析など、経営データの高度な分析が容易になることから、SAP HANAクラウドサービスのGoogle Cloud対応版を開発したという。

 サービスメニューは、導入時のクラウド基盤の設計構築を支援する「Technical Consulting for SAP Solutions」と、クラウドリソースや運用サービスを提供する「Cloud Delivered Service for SAP Solutions」。両サービスとも提供開始は2021年12月で、価格は個別見積もり。

 日立では今後、 Google Cloud のBI機能を兼ね備えたデータ分析プラットフォーム「Looker」の提供など、基幹システムのデータを活用するサービスを拡充することで、顧客のDX実現を支援すると説明。さらに、順次、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure上でのサービス提供も追加し、パブリッククラウド対応を進めていくとしている。