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富士通、ディープラーニング技術「Deep Tensor」を用いた化合物の特性予測サービス「SCIQUICK-DT」

 富士通株式会社は2日、グラフ構造データを学習する、説明可能な独自のディープラーニング(深層学習)技術「Deep Tensor(ディープ・テンソル)」を活用し、化学構造式のみで化合物の特性を予測するサービス「FUJITSU Digital Laboratory Platform SCIQUICK-DT」(以下、SCIQUICK-DT)を発表した。

 「SCIQUICK-DT」は、化学構造式のみで、新薬開発で重要な評価項目である代謝安定性や経口吸収性といった化合物の特性を予測するサービス。化学構造式における原子のつながり方の特徴をグラフ構造データとしてDeep Tensorに学習させておくことにより、化学構造式を入力するだけで代謝安定性や経口吸収性などを予測でき、それらの特性を引き出す重要な要因を判別可能になるという。

 また、オプションのモデル構築サービスでは、物理特性や毒性など、製薬会社が希望する評価項目にあわせて収集した化合物のデータを学習させることで、独自の学習モデルを構築できるとのこと。

 これにより製薬会社は、新薬開発の初期段階において精度高く実用性や安全性の評価でき、求めたい化合物の特性にあわせて、化学構造式のスムーズな改変(リデザイン)を行えるようになるとしている。

 なお「SCIQUICK-DT」の学習モデルは、富士通が参画する「ライフ インテリジェンス コンソーシアム(LINC)」での成果に基づいて作成されており、LINCで作成したモデルと同等の高い予測精度を達成したとのことだ。

 価格は、「SCIQUICK-DT」の基本サービスが3カ月ごとに200万円(税別)。オプションのモデル構築サービスは個別見積もりとなる。