日本特殊陶業、製造現場におけるIoTのデータ活用にウイングアーク1stの「Dr.Sum」「MotionBoard」を導入

　ウイングアーク1st株式会社は19日、セラミックス製品を手掛ける日本特殊陶業株式会社が、生産設備の稼働率改善をはかるためのIoTプラットフォームのデータ活用にあたり、ウイングアーク1stのデータ基盤ソリューション「Dr.Sum」とBIダッシュボード「MotionBoard」を導入したと発表した。

　日本特殊陶業は、自動車用スパークプラグや内燃機関用関連品、ニューセラミックとその応用商品など、セラミックス製品の製造・販売を中心に事業を展開している。同社では、スマートファクトリー実現を目指し、製造の生産安定化や稼働率向上に向けて、工場のIoT化を推進してきた。

　しかし、IoT機器を導入し各種生産設備から情報を取得しているものの、データの収集と加工に時間がかかり、そのデータの活用や分析が十分に行われておらず、問題が発生した際にその原因の詳細を把握しにくいことが課題となっていたという。

　そこで、製造におけるIoTデータ活用による生産性向上を目指すため、BIツールの活用を検討し、使い慣れたExcelインターフェイスでデータを分析でき、リアルタイムにデータを可視化できるDr.SumとMotionBoardを導入した。

　各種生産設備によりデータ規格が異なるため、日本特殊陶業では各設備からデータを取得する際に、あらかじめデータの規格を統一し、2021年3月より本格稼働を開始した。データをMotionBoardでリアルタイムに可視化し、Dr.Sumで詳細を分析できる環境が整ったことで、問題が発生した際にその原因の特定と改善がしやすくなり、その結果、生産設備の稼働効率が改善された。

　生産現場では、MotionBoardのダッシュボードが工場モニターに表示され、詳細な分析が必要な時は、Dr.Sumの集計レポーティングツール「Dr.Sum Datalizer」を利用し、データを深堀りできる。各種データを見ながら現場の管理職と担当者が原因を把握しやすくなったことで、精度の高い業務改善が図られ、操作方法のレクチャーを継続的に実施したことで、現在では導入部門全体の約70％が利用しているという。

　日本特殊陶業では今後、データ取得の規格を標準化して、他の部署や海外拠点にもDr.SumとMotionBoardの導入の展開を検討しているほか、品質系のデータや機器保全のデータの活用も視野に入れ、スマートファクトリー化の実現に向けた積極的な取り組みを展開していく予定としている。

ダッシュボード画面