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360°カメラとスマホで建物の3D-Viewを作成・管理――、NTTビズリンクがクラウドサービス「Beamo」を提供

 エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社(以下、NTTビズリンク)は10日、市販の360°カメラとスマートフォンにより、建物の3D-Viewを作成し一元管理できるサービス「Beamo(ビーモ)」を提供開始すると発表した。従来はリモートでの実施が難しいとされてきた現地調査や、建物設備の構築・保守などにおける働き方を変革し、ファシリティマネジメント領域におけるDXを推進するとしている。

 Beamoは、市販の360°カメラとスマートフォンを利用して、商業施設や生産施設などの建物の3D-Viewを簡単・即時に作成できるサービス。市販の機材を用いて誰でも容易に撮影できるほか、スマートフォンのジャイロ機能を活用するため、GPSが使えない室内でも自動で撮影位置を特定し、人手を介さず図面上に撮影ポイントをプロットしてくれるという。

 こうして撮影したデータをクラウド上にアップロードすると、即時に3D-Viewが作成される仕組みで、作成した3D-View内にあるメジャー機能を使い、寸法の測量が可能。運搬経路や設置スペースの確認を仮想的に可能できることから、何度も現場へ足を運ぶ必要がなくなる点がメリットだ。さらに、3D空間上にタグ付けが可能なため、現地の情報を補足するマニュアルや注意事項などを、動画や画像、文章で埋め込めるとのこと。

 また、撮影した写真データは日本国内のクラウド上でセキュアに保管され、建設から運用、建物の解体に至るまでのライフサイクルにおいて、その時々の状況をデータ量無制限で保管できるとした。

 NTTビズリンクでは、現場調査の代替や事前準備、事後報告、現場や設備に関する情報の集約管理、3D空間上への情報埋め込み機能を活用した研修素材の作成、現場作業前の危険個所の事前確認、建物の案内ツアーや監査対応などを利用シーンとして挙げている。

 なおBeamoは、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)が2019年より実施しているオープンイノベーションプログラム「ExTorch Open Innovation Program」において、スタートアップ企業と共同で開発された。NTT Comでは、開発したサービスを、NTT Comグループが保有する国内外65棟のデータセンターや通信局舎に試験導入し検証を行った結果、現地調査業務における生産性向上などの効果が確認できたため、NTT ComグループのNTTビズリンクより提供を開始する。