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竹中工務店など4社、RFIDタグによる室内環境センシングシステムを開発

 株式会社竹中工務店、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)、マスプロ電工株式会社、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)の4社は16日、RFIDタグによる室内環境センシングシステムを共同開発し、横浜市役所、NOK本社ビルに導入したと発表した。

 センシングシステムには有線式が用いられることが一般的だが、有線式の場合、配線の都合によりセンサーの設置場所が壁や天井に限られるため、居住域内の快適性を確保するために必要な室内環境データを十分に収集できないという問題があった。そのため、電波などを利用した無線式のセンシングシステムの開発が進められているが、無線式センサーの電源は電池が必要なタイプが主流であり、電池交換などの維持管理に手間がかかるのが課題となっていた。

 共同開発したシステムは、RFIDタグと温度センサーなどを組み合わせた環境センサーを、アンテナからの電波で起電することにより、無線式でありながら電池交換が不要となる室内環境センシングシステム。アンテナの電波が届く範囲においては複数データを同時に読み取ることが可能で、移動しているRFIDタグの読み取りも可能であることから、室内環境データや人の在不在データなどを効率的に収集できる。

 竹中工務店は3社と協力してシステムの展開を進め、収集したビッグデータを用いた新しい設備制御のあり方を創出し、さらなる省エネルギー性、快適性、知的生産性の向上に活用すると説明。さらに、人の在不在データから人流を把握し、コロナ禍において社会的ニーズとなりつつある新しいワークプレイスの提案などと合わせ、持続可能な脱炭素社会、Society 5.0の実現に寄与していくとしている。

RFIDタグによる室内環境センシングシステムとデータ連携(横浜市役所の場合)