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富士通の生産準備支援ツール「VPS」、3D-BOPの作成機能などを強化した新バージョンを販売

 富士通株式会社は30日、デジタルプロセス株式会社が開発した、製造業における生産準備業務のデジタル化支援ツール「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA デジタル生産準備 VPS(以下、VPS)」シリーズの新バージョンを販売開始した。

 VPSは、製品の設計から製造に至るプロセスをデジタルデータでつなぎ、生産準備業務の生産性向上や情報の一元化などの幅広い活用を実現するツール。製品の3次元デジタルデータを活用することにより、製造用図面や組み立て手順だけでなく、使用する工具や組み立て作業に必要な工数や作業における注意点など、さまざまな製造関連情報を集約・表示できる。

 新バージョンでは、製造現場での試作や工程計画などの生産準備業務において、3Dデータを生産工程情報にひも付けた「3D Bill of Process(以下、3D-BOP)」の作成機能を強化した。

 工程全体の関係や組立作業の流れを、作業場所の位置関係を含めて表現する「工程ブロック図」に、機械の配置や作業手順などを図形描画や画像挿入でわかりやすくビジュアル化する機能や、複数の仕様を持つ製品を扱う製造ラインで、共通仕様部分の作業データを一元化する機能などを強化した。

 これにより、製造現場に即した、よりビジュアルな3D-BOPの作成を可能にし、組立作業順や治具の使用方法の間違いなどの作業ミスを減らすとともに、より歩留まりが高い生産を実現する。

 また、3Dデータ上で製造ラインの工程計画を検討するツール「VPS GP4」については、これまで複数の仕様を持つ製品を扱う製造ラインを表現する際には、共通する作業も含めて別々に設計データを作成、編集する必要があったが、今回の機能強化により、共通する作業と仕様が異なる作業を混在させて一つのデータで表現できるようになった。

 これにより、共通作業に変更があった際、一つのデータを修正するだけで済むため、作業時間が最大約70%削減でき、複数の作業手順を一つのデータで表現することでそれぞれの手順の比較検討がしやすくなるため、生産ラインの評価値を見比べながら、合理的な改善策を適用できるようになるとしている。

 製品の価格(税別)は、「VPS Standard V15L23」が400万円、「VPS Digital Mockup V15L23」が250万円、「VPS Manufacturing V15L23」が250万円、「VPS GP4 V11L23」が440万円。富士通では、2021年度中に1000ライセンスの販売を目標とする。