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日立、重要インフラのサイバー防衛訓練をリモートで行える「オンラインNxSeTA」を提供

 株式会社日立製作所(以下、日立)は24日、電力や鉄道、上下水道などの社会インフラ事業者向けに、リモート環境からの参加を可能としたサイバー防衛訓練サービス「オンラインNxSeTA」を6月1日から提供すると発表した。

 オンラインNxSeTAは、日立の大みか事業所や顧客の拠点、事業所で、重要インフラ分野での高度なセキュリティ人材を育成する場として訓練実績を重ねてきた「サイバー防衛訓練サービス(以下、NxSeTA)」をオンライン化したもの。

「オンラインNxSeTA」を活用したサイバー防衛訓練サービスの概念図

 日立では、重要な社会インフラへのサイバー攻撃に対応するための総合訓練・検証施設として、2017年に大みか事業所内にNxSeTAを開設。さらに、2020年には顧客の拠点で、NxSeTAと同様の訓練を可能とする「ポータブルNxSeTA」を提供し、顧客の環境やニーズに応じたサービス展開を行ってきた。

 新たに提供するオンラインNxSeTAは、リモート業務に対応して、自宅やサテライトオフィスなど、場所を限定せず、効率的かつ柔軟に遠隔から訓練や講義の受講が可能。特に、リモート環境下では、従業員間の相互連携がより重要になるため、各種業務ツールを活用し、利便性の高い豊富な訓練メニューを提供する。

 また、個人および組織におけるセキュリティスキル向上に向けて、コミュニケーション力やレジリエンスなど多様な評価軸として、レジリエンスエンジニアリングにおける安全マネジメント「Safety-II」などを用いた訓練評価を行い、段階的にスキルアップが図れるように、継続的な効果教育・訓練計画を提案する。

 さらに、人材面の強化に加えて、訓練で得られた課題に対し、システム面や運用面においても、日立が社会インフラシステムの構築で培ってきた経験・運用ノウハウやIT技術をもとに、セキュリティ施策の改善支援も実施し、コンサルティングからセキュリティ施策の導入・運用までトータルに顧客を支援する。

 日立は今後、オンラインNxSeTAの適用業種を広げ、製造業や物流・小売りなど、幅広い業種の顧客に活用できるようサービスの拡充を図るとともに、安心・安全な社会の実現に向けて、官民連携によりサイバーセキュリティ強化に取り組んでいくとしている。

セキュリティスキル強化の計画策定支援のプロセス
新規サービスと既存サービスの違い