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セールスフォース・ドットコム、「Education Data Architecture」を日本で提供開始

 株式会社セールスフォース・ドットコムは28日、これまで英語圏のみで提供されていた教育機関向け製品「Education Data Architecture (以下、「EDA」)」を、従来から提供してきたその他のCRM製品群と合わせて、「Education Cloud」というブランド名の元、日本で提供すると発表した。また、「Education Cloud」を活用したオンラインアドミッションシステムをセールスフォース・ドットコムと株式会社ユー・エス・イー、東京大学教養学部が共同開発した。

 Education Cloudは、さまざまな規模の教育機関において、学習者と教育機関とのエンゲージメントを一時的な物ではなく、生涯にわたる形へと変化させるCRMプラットフォーム。Education Cloudを活用することで、教育機関の管理部門は各教育機関に最適なプラットフォームを構築し、学生の入学前、在学中、卒業後と、それぞれのタイミングで適切な体験を生み出すとともに、ライフサイクル全体をマネージメントすることが可能になる。

Education Cloud概要図

 また、Education Cloudの中核製品で、教育機関にとって必要なデータ構造のスムーズな構築を可能にする、教育機関向け製品のEDAも、合わせて6月に提供を開始する。EDAは、業界標準のオブジェクトを含んだ形でSalesforceのCRMプラットフォーム上に直接構築しており、教育機関にとって必要なデータ構造のスムーズな構築を可能にする。EDAを取り入れることで、教育機関はアーキテクチャの検討やデータ収集にかける時間を短縮し、より学習者との関係強化に専念できるとしている。

 東京大学教養学部では、「教養学部英語コースPEAK(Programs in English at KOMABA)」のアドミッション業務の効率化とユーザー体験の向上を目的に、Education CloudおよびEDAを採用した。東京大学教養学部では、Education Cloudを活用し、セールスフォース・ドットコムおよびユー・エス・イーとアドミッションシステムを共同開発することで、AO入試のオンライン化を図り、世界各国に広がる志願者が応募しやすい、出願時の地理的条件に縛られない入試形式が提供されるようになった。

 教育機関が志願者と直接オンライン上でコミュニケーションできるようにすることにより、合格までの道のりでの志願者・事務職員・教員相互の煩雑なやり取りを減らすと同時に、志願者へより早く、より合理的なサービスを提供できるようになったという。また、すべての志願者とのやりとりについて記録を一元化し、データ分析をすることで、教育機関として翌年以降の志願者向けに、より良いサービスが提供できるとしている。

 セールスフォース・ドットコムでは、製品の1%(寄贈・割引販売)、株式の1%(助成金)、就業時間の1%(ボランティア)を活用してコミュニティに貢献する「1-1-1モデル」と呼ばれる社会貢献活動を創業当時より行っており、今回、東京大学教養学部が導入したEducation Cloudは、この社会貢献モデルの「製品の1%」にあたると説明。セールスフォース・ドットコムが、非営利・教育機関(日本においては一条校のみを対象)向けに、Salesforce製品を特別に無償・割引価格で提供する製品になるという。