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富士通、医療従事者の勤務管理支援システム「HOPE タイムリフォーマー」を提供

 富士通株式会社は31日、医師や看護師などの勤務状況や職員情報などの一元的な管理を実現するソフトウェア「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE タイムリフォーマー V1(以下、HOPE タイムリフォーマー)」を開発し、富士通Japan株式会社により4月1日から提供すると発表した。

 HOPE タイムリフォーマーは、24時間365日をシフトで勤務する看護師向けの勤務表作成機能や、職種や業務で異なる複雑な勤務形態を踏まえた勤務時間や各種手当を一元的に管理する機能などを備えたソフトウェア。

 医師や看護師など、職種により異なる方法や場所で打刻される勤務情報を収集し、一元管理できる労働時間管理オプションを搭載。医師や看護師は、各自の出退勤打刻の情報を一覧で確認し、自身の時間外勤務時間の状況を意識しながら、自らの働き方を調整できる。また、医療従事者の勤務時間管理を担う医療機関の総務課は、職種によらず全員の勤務時間を一覧で把握でき、行政機関による時間外労働など、監査への適切な対応をシステムにより支援する。

 労働時間だけでなく、把握が難しかった院内における自己研鑽などを含む在院時間も時間管理画面で把握できる超過勤務管理オプションにより、医療従事者の労働時間をきめ細かく適正に管理できる。働き方改革関連法で求められる、出退勤時間と実際の在院時間の乖離(かいり)を防止する。

 看護師の勤務表作成を自動で行う自動勤務オプションにより、勤務間のインターバルを確保できていないシフト勤務者を抽出の上、適切にシフト調整が行える。

 個々の医療従事者の免許や資格などの経歴情報を記録できる職員管理オプションや、看護師の看護実践能力を段階的に示すクリニカルラダーを活用した目標管理オプション、院内外の教育受講情報などを一元的に管理可能な教育管理オプションを搭載。医療従事者の経歴や能力を可視化することにより、タスクシフトやタスクシェアを検討しやすくなるなど、院内全体の最適なリソースマネジメントの推進を実現する。

 出退勤打刻のエラー情報や時間外などを、看護師や医師一人ひとりに、メニュー画面から通知する労働時間管理オプションを搭載。これにより、実際の勤務時間と打刻時間の乖離や、月間や年間の時間外超過など、本人や管理者が気付きにくかった実態をリアルタイムに通知することで、自身で労働時間管理をしやすくなり、時間外申請の漏れなどを防止できるほか、労働時間管理意識の向上につなげられる。

 また、HOPE タイムリフォーマーの勤怠情報と連携することで、個人だけでなく組織の時間外労働状況や電子カルテ端末などの利用時間と勤怠情報の乖離を可視化できる「FUJITSU Software TIME CREATOR ヘルスケア(以下、TIME CREATOR ヘルスケア)」を、株式会社富士通エフサスが開発し、4月中に富士通Japanから提供を開始する。

 TIME CREATOR ヘルスケアは、HOPE タイムリフォーマーから得られる医療従事者の勤務や時間外労働の状況をスコア化し、ランキング形式で確認が可能。さらに、電子カルテ端末などの使用実績データとの連携により、勤怠情報との乖離を表示し、労働時間の適正な管理を実現する。

 製品の価格(税別)は、HOPE タイムリフォーマーの基本機能が50万円から、自動勤務オプション、職員管理オプション、教育管理オプション、目標管理オプションが33万円から、超過勤務管理オプション、労働時間管理オプションが40万円から。TIME CREATOR ヘルスケアの基本機能は24万円から。

 富士通では、2023年3月末までにHOPE タイムリフォーマーの250システム導入を目標とする。