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タニウム、クラウド型セキュリティプラットフォーム「Tanium as a Service」を国内で提供開始
2021年2月18日 11:00
タニウム合同会社は18日、クラウド型エンドポイント管理とセキュリティプラットフォームの「Tanium as a Service」(TaaS)を国内で提供開始すると発表した。
TaaSは、米Taniumが2020年7月に米国にて発表したサービス。すでに米国では数十社に導入されているほか、国内での提供開始を待たずに「米国のデータセンターを利用する形で導入を決めた日本企業も存在する」(タニウム 代表執行役社長 古市力氏)という。
国内で提供するTaaSは、国内のデータセンターを利用する。タニウムの提供するオンプレミス版の製品は、主に大企業を中心に採用が進んでいたが、「既存ユーザーからもクラウド版に対する要望が上がっていた」と古市氏。今回TaaSを提供開始することで、オンプレミスとクラウドという選択肢が提供できることはもちろん、「エンドポイント数が1000~1万規模の中堅・中小企業にまで顧客層を広げたい」と古市氏は述べている。
TaaSには、脅威の特定から防御、検知、対応、復旧に至るまで、「サイバー衛生管理に必要なすべての機能がそろっている」と、タニウム 執行役員 テクニカルアカウントマネジメント統括本部長 小松康二氏は説明する。ユーザーはエンドポイントにエージェントをひとつ入れるだけでTaaSが利用でき、エンドポイント数の増減にも自動で対応する。
TaaSの特徴について小松氏は、単一のコンソールであらゆるエンドポイントが管理できることを挙げる。「ログインすると管理画面上でさまざまなロケーションにある端末が一元管理できるため、リモートワークのエンドポイント管理が容易になる。対応するエンドポイントも多様で、物理マシン、仮想マシン、クラウドインスタンスを問わずシングルコンソールで管理できることから、ゼロトラストでの運用にも最適だ」と小松氏はいう。
また、TaaSには同社の特許技術であるリニアチェーンアーキテクチャが採用されている。これは、従来のハブ&スポークモデルのように全端末がサーバーと通信するのではなく、グループ化された端末同士でリスク状態を把握してサーバーに情報を送信する方式だ。このアーキテクチャによって大規模環境でも通信トラフィックが枯渇することはなく、リアルタイムに各拠点の端末の可視化と制御が可能になる。
同技術を採用したオンプレミス版の事例では、「全IT資産の把握に6カ月かかっていたのが5分でできるようになった」「パッチ適用率の可視化が2日から10分にまで短縮できた」「感染端末の隔離・遮断に1日かかっていたのが5分で済んだ」といった効果があったという。
TaaSを検証したいユーザーには、無償のPoC(概念実証)環境として「Tanium Evaluation」を用意する。エンドポイントにエージェントをインストールするだけで、主要な機能を実際のエンドポイント環境で確認できる。通常14日間、最大100エンドポイントでの検証が可能だ。
TaaSで新たな市場開拓へ
オンプレミスに加えてクラウドでも同社の技術が利用できるようになったことで、タニウムはこれまで開拓できていなかったミッドマーケットを開拓していきたい考えだ。
これに伴い、パートナーエコシステムも拡充する。「GoogleやSalesforce.comといったアライアンスパートナーとの戦略提携を加速させるほか、国内の主要パートナーとエンタープライズおよび中央官庁ビジネスを深堀りしていく」と古市氏は意欲を見せる。また、新たなパートナーを開拓し、エンジニア認定資格を用意するなどしてパートナーのエンジニアも育成した上で、「中堅中小企業や地方自治体にビジネスを展開していきたい」としている。
今後はサイバー空間における衛生管理を促進し、リスクアセスメントサービスにも注力する。古市氏は、「コロナ禍で多くの人が衛生管理の重要性を再認識した。サイバー空間でも同じで、端末を把握し野良端末を排除するといった衛生管理ができていれば、攻撃の大半は防ぐことが可能だ」としている。