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中堅・中小のリモートワークを簡単・安価に実現――、NTTPCがゼロトラスト対応の新サービス「Secure Access Gateway」を提供

 株式会社NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)は9日、中堅・中小企業のリモートワークを簡単・安価に実現するために、セキュリティの強化、社内ネットワークの輻輳(ふくそう)回避、それらのマネジメント機能をワンパッケージにしたゼロトラスト対応の新サービス「Secure Access Gateway(セキュアアクセスゲートウェイ)」を提供開始すると発表した。

 同日には、新サービスを提供する背景や狙い、サービス概要についてオンライン説明会が行われた。

ゼロトラスト対応の中堅・中小向けネットワークサービス

 「Secure Access Gateway」は、Gartner社が提唱したSASE(Secure Access Service Edge)のフレームワークに沿ったゼロトラスト対応のネットワークサービスを、中堅・中小企業向けに提供するもの。セキュリティ機能、ネットワーク機能、マネジメント機能の3つの機能をワンパッケージにすることで、大規模な投資やDX(デジタルトランスフォーメーション)人材を必要とせず、中堅・中小企業でも簡単かつ安価にリモートワークを導入することが可能となる。

「Secure Access Gateway」のサービスイメージ

 NTTPC サービスクリエーション本部 本部長の三澤響氏は、「現在、企業にとってDX推進は緊急の課題となっているが、実際にDXを推進できているのは一部の大企業に限られており、中堅・中小企業のほとんどはDXに着手できていないのが現実だ。この背景として、DX推進には、新しいICT導入に向けて大規模な初期投資が必要であることと、自社でDX人材を確保する必要があることが挙げられる」と、中堅・中小企業が抱えるDX推進の課題を指摘する。

NTTPC サービスクリエーション本部 本部長の三澤響氏

 「特に、新型コロナウイルスの感染拡大にともない、SaaSやリモートワークの利用が拡大したことで、従来のセンター集約型の企業イントラでは、トラフィックが集中して社内ネットワークが輻輳したり、リモート環境のセキュリティが脆弱といった問題が出てきている。この問題を解決する新たなICTとして、SASEソリューションが登場しているが、これも中堅・中小企業にとっては導入ハードルが高いものだった。そこで今回、すべての中堅・中小企業のDX推進に向けて、大規模な投資を必要とせず、DX人材を必要最小限化できる新サービスとして『Secure Access Gateway』を提供開始する」(三澤氏)と説明した。

 「Secure Access Gateway」では、セキュリティ機能、ネットワーク機能、マネジメント機能を、中堅・中小企業が導入するのに“ちょうどいい”サービス型で提供するという。

 具体的には、セキュリティ機能として、「DNSセキュリティ」(3月提供開始)、「ID運用管理」(2021年度上期予定)、「セキュアWebゲートウェイ」(2021年度下期予定)の3つのサービスを用意。「DNSセキュリティ」では、悪意あるWebサイトなどからユーザーを守るためにURLフィルタリングを行う。「ID運用管理」では、アカウント管理とシングルサインオンにより社内システムやクラウドサービスへの接続をセキュアかつ簡単に行うことが可能。「セキュアWebゲートウェイ」では、社内外問わずユーザーの安全なクラウドサービス利用を実現する。これらにより、社内で業務を行うのと同等のセキュリティをリモートアクセスユーザーに確保する。

「SD-WAN」と「DNSセキュリティ」のサービスイメージ

 ネットワーク機能では、「SD-WAN(Master'sONE CloudWAN)」と「リモートアクセス」、「インターネット」を提供する。「SD-WAN」は、Web会議やクラウドサービスなどのトラフィックを直接インターネットにつなぐインターネットブレークアウト機能を使うことで、社内ネットワークの輻輳原因を解決する。また、「リモートアクセス」を利用することで、ロケーションにかかわらず、インターネット経由で社内システムやクラウドサービスに安心してアクセスすることが可能となる。

 マネジメント機能としては、高度な専門知識なしで簡単な管理を実現する「ダッシュボード」を3月から提供開始する予定。担当者は、「ダッシュボード」を活用することで、「セキュリティ機能」と「ネットワーク機能」の申し込みや管理を、簡単かつ直感的に操作することができる。

 月額利用料金(税込)は、「DNSセキュリティ」が660円/ユーザー、「SD-WAN」が1万8700円/拠点、「リモートアクセス」が1100円/IDとなる。すべて初期費用は無料。なお、「ダッシュボード」は標準サービスとして無償提供される予定。