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2020年度の国内ネットワークセキュリティビジネス市場は5792億円規模、働き方の変化で今後も市場は拡大~富士キメラ総研調査

 株式会社富士キメラ総研は5日、ネットワークセキュリティビジネスの国内市場を調査し、その結果を「2020ネットワークセキュリティビジネス調査総覧 市場編」「2020ネットワークセキュリティビジネス調査総覧 ベンダー編」にまとめた。

 市場編では、セキュリティサービス19品目、セキュリティ製品27品目の市場を分析。ベンダー編では、セキュリティソリューションベンダー28社、セキュリティツールベンダー18社の分析を行っている。

 ネットワークセキュリティビジネスの国内市場については、2020年度の市場規模は5792億円(前年度比8.9%増)と推計している。

 市場動向については、マルウェア「Emotet」による大規模な被害や、大手企業に対するサイバー攻撃の被害が増加していることに加え、特定の企業をターゲットとする標的型攻撃や、セキュリティ対策が手薄なグループ会社や取引先を経由して大手企業などに攻撃するサプライチェーン攻撃など、攻撃手法の高度化・複雑化が進んでいることから、ネットワークセキュリティビジネスの需要が高まっていると分析。市場は今後も拡大を続けていき、2025年度の市場規模は7874億円(2019年度比47.8%増)に達すると予測している。

ネットワークセキュリティビジネス市場の予測(出典:富士キメラ総研)

 注目市場としては、ネットワークに対する脅威の侵入後対策を目的としたEDR(Endpoint Detection and Response)市場を挙げ、2020年度の市場規模は180億円(前年度比87.5%増)、2025年度には740億円(2019年度比7.7倍)に達すると予測している。

 EDR市場の拡大要因としては、標的型攻撃の高度化により脅威の侵入後対策の重要性が認知されてきたことや、テレワークの増加でゼロトラストセキュリティへの注目度が高まり、境界型防御であるゲートウェイセキュリティからエンドポイントセキュリティへ切り替えが進んでいることや、大規模な企業グループで子会社を含む広範囲な導入が広がっていることなどが挙げられるとしている。

 ルーターやスイッチなどのネットワーク機器に流れるトラフィックを収集、分析し、外部からの攻撃や内部不正などを可視化し検知するNDR(Network Detection and Response)の市場規模は、2020年度は45億円(前年度比36.4%増)、2025年度は145億円(2019年度比4.4倍)と予測。EDRに加え、追加対策としてNDRを導入するケースや、EDRの導入は難しい中堅企業などでNDRの導入が増加しており、今後はゼロトラストセキュリティなどへの関心が高まっていることから、市場が拡大していくと予測している。

 SaaSを中心としたクラウドサービス向けセキュリティ対策ツールCASBの市場規模は、2020年度は40億円(前年度比66.7%増)、2025年度予測は130億円(2019年度比5.4倍)と予測。テレワークなど新しい勤務形態の導入や運用負担軽減を目的に、企業でクラウドサービスの活用が進む中、企業のIT部門が把握していないクラウドサービスが利用されているケース(シャドーIT)が増えているため、クラウドサービスの利用状況を把握するソリューションとしてCASBへの注目度が高まっており、大手企業を中心に普及が進んだことから市場は拡大すると分析している。

 DDoS攻撃対策サービスの市場規模については、2020年度は90億円(前年度比15.4%増)、2025年度は135億円と予測。2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的にセキュリティに関する予算を削減する企業が出てきたことなどで大規模案件の一部が延期したが、今後は中堅以下の企業においてもデジタルシフトの実現に向けた取り組みが活発化することで、DDoS攻撃対策の必要性が高まり、市場は拡大していくと予想している。

 企業のセキュリティ対策状況を可視化するセキュリティスコアリングサービスの市場規模については、2020年度は9億円(前年度比2.3倍)、2025年度は33億円(2019年度比8.3倍)と予測。サプライチェーン攻撃の拡大から徐々に認知度が高まっており、超大手・大手企業などで利用が増加しており、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響から上半期は引き合いが限定されたものの、今後もサプライチェーン攻撃は拡大していくことから、超大手・大手企業は、自社のセキュリティ対策は維持しつつ、グループ会社や取引先のセキュリティレベルを高める取り組みを進めていくことで、市場は拡大すると予想している。