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アイマトリックス、マトリックスゲート/マトリックスクラウドにパスワード付き添付ファイルに代わるファイル共有機能を搭載

 アイマトリックス株式会社は20日、セキュリティアプライアンス製品「マトリックスゲート」とクラウド型セキュリティサービス「マトリックスクラウド」について、「PPAP」と称されるパスワード付きZIPファイル運用に代わるセキュアなファイル共有機能を搭載した次期バージョンのリリースを発表した。

 アイマトリックスでは、米連邦政府や行政機関などの侵入検知システムにおいて、マルウェア「EMOTET」に関する感染活動として約1万6000件のアラートを検出したという報告が米国土安全保障省CISAから出ており、EMOTETによる攻撃は高度化し、メールに添付されるファイルをパスワード付きZIPに加工することで、ウイルスキャンをすり抜けるケースも見られるようになったと説明。

 こうしたリスクに対して、CISAではパスワード付きZIPファイルなど、ウイルススキャンできないメールの添付ファイルをブロックすることを推奨しており、国内においてもパスワード付きZIPファイルの受信をしない措置を取る企業も出始めてきているなど、これまで国内の官民問わず多くの組織で使われてきたパスワード付きZIPファイルの運用を見直す動きがあるとしている。

 こうした情勢を受け、アイマトリックスでは同社の製品・サービスにおいてもパスワード付きZIPファイルを取り巻く環境への対応、とくに「PPAP」運用の見直しが急務と判断し、「マトリックスゲート」「マトリックスクラウド」に新機能を搭載した。

 パスワード付きZIPファイルに代わるセキュアなファイル送信機能として、マトリックスゲート、マトリックスクラウド上のストレージ連携による、添付ファイルの自動アップロード機能を提供する。利用者は今まで通り、ファイルをメールに添付して送信すると、製品が添付ファイルを分離して、連携されたストレージにファイルを保存し、送信先には自動的にファイルにアクセスできるリンクを送信する。ファイルの保存先として、マトリックスゲートおよびマトリックスクラウド内部の共有フォルダだけでなく、外部クラウドストレージサービスも選択できる。

 ストレージサーバー上でのファイルを共有する場合、誰がファイルにアクセスしたか、いつダウンロードされたかを確認することや、ダウンロードさせずに閲覧のみに制限、誤送信時に送信者の裁量でファイルを消去することも可能。受信者はファイルへのアクセス時にアドレスなどによって認証され、従来の運用では受信者が負担していたパスワードをコピー&ペーストし、ファイルを解凍するなどの手間も解消される。

 また、マトリックスゲート、マトリックスクラウド内部にて、ダウンロード時にパスワード付きZIPファイルを開封し、ウイルススキャンを実行した後に、利用者がファイル本体を取得できる仕組みを設け、安全にパスワード付きZIPファイルを受信できる環境も実現した。

 マトリックスゲートとマトリックスクラウドはこれらの機能に加えて、アンチウイルス・アンチスパム・メール無害化機能など、受信メールセキュリティと誤送信防止や個人情報フィルター機能など、送信メールセキュリティをオールインワンで提供する。

 価格は、マトリックスゲートが初年度52万6000円から、マトリックスクラウドが年額18万9000円から。アイマトリックスは、マトリックスゲートとマトリックスクラウドで初年度2~3億円の売上を目指す。