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日立、融資取引の契約業務をウェブ上で完結できる「金融機関向け電子契約ソリューション」を提供

 株式会社日立製作所(以下、日立)は11日、金融機関を対象に、融資などの契約業務を電子化し、従来の対面による紙中心の事務手続きをウェブで一括して完結できる「金融機関向け電子契約ソリューション」の販売を開始した。

 金融機関向け電子契約ソリューションは、融資など実印相当の本人確認が必要な契約業務において、書類作成などの事前準備から、電子証明書の発行、契約書への署名、契約後の書類管理まで、金融機関や契約者が行う一連の手続きを電子化する。

金融機関向け電子契約ソリューションの概要

 印鑑証明書に代わる電子証明書を活用した電子署名機能を備え、対面での書類のやり取りによる事務手続き上の手間や手戻りを削減し、業務を効率化する。電子契約においては、契約内容の正当性や信頼性を担保するため、第三者機関である認証局が発行する電子証明書とタイムスタンプを用いた電子署名が個別に必要となるが、ソリューションでは認証局への契約者情報の登録や、契約者が電子証明書を利用するためのID・パスワードの発行など、電子署名に必要となる認証局との手続きもシステム上で一括して行える。

 また、ソリューションでは、既存システムとの連携を可能にする標準APIを備える。たとえば、審査システムに登録された情報を電子契約システムへ自動的に連携し、必要項目を選択するだけで簡単に契約書を作成できる。融資実行後は、債権書類管理システムへの書類の格納や、契約状況の確認、電子署名済ファイルのダウンロードといった、電子契約利用時に必要となる各種作業の自動化やデータの一元化が可能となる。

 これにより、一般的な電子契約を利用する際に発生していた、一つの契約業務で複数システムを利用することによるデータの二重登録など、業務負荷や作業プロセスの煩雑さを軽減し、融資業務全体の効率化を実現する。

 ソリューションを導入することにより、契約者は、紙の契約書への記入や押印に代わり、契約書のPDFファイルに電子署名を行うことで融資取引が可能となる。ウェブサイト上のマイページから、契約手続きや契約内容の確認が手軽に行えるため、営業時間や場所の制約にとらわれず手続きを行える。融資実行までの手続きに要する期間の短縮化を図るほか、ペーパーレス、印鑑レスを促進するなど、事務手続きの負荷軽減や利用者の利便性向上により、ニューノーマル時代における非対面取引の強化に寄与するとしている。

 金融機関向け電子契約ソリューションの価格は個別見積もり。提供開始は2021年3月1日。日立では今後、金融機関向け電子契約ソリューションをはじめ、金融機関のさまざまな業務のデジタルシフトを加速するソリューションの開発・提供を通じて、非対面ビジネスへの転換やFintechサービスとの連携など、ニューノーマルへの対応に向けた取り組みを支援し、金融機関のDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に貢献していくとしている。