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RSAセキュリティ、認証ソリューション「RSA SecurID Access」の最新版を発売、クラウド認証機能を向上

 RSA Security Japan合同会社(以下、RSAセキュリティ)は21日、認証ソリューション「RSA SecurID Access」の最新版を発売した。最新版では、RSA SecurIDの認証サーバーとデバイス用エージェントソフトそれぞれに新機能を追加し、クラウド認証機能の向上を図った。

 RSAセキュリティでは、パンデミックによる緊急事態宣言によってリモートアクセスのニーズが急速に高まったことを契機に、業務アプリのクラウド移行の傾向が高まっており、クラウド化やオンプレミスとクラウドが混在する環境において、セキュリティ上で重要となる認証の連携をはじめ、ログインの一元的な一括管理、ログインできない時間の解消、認証用デバイスの多様化が求められていると説明。最新版ではRSAクラウド認証サービスの認証機能を利用しやすくするための機能を加えることで、クラウド認証サービス利用への移行における不安の解消に役立つとしている。

 認証サーバーの最新バージョン「RSA Authentication Manager 8.5」では、ユーザーにとって認証のインターフェイスとなるクラウド認証サービス(CAS)をクラウド上に置き、ユーザー管理機能をオンプレミスで行うハイブリッド構成となった。そのため、クラウド認証サービスへのアクセスが、ネットワークや機器の不具合などにより低速あるいは停止した場合でも、自動的にオンプレミス側で認証リクエストを引き継いで多要素認証(MFA)のワンタイムパスワード認証が行える。

 RSA Authentication Manager 8.5は、セキュアプロキシおよびフェールオーバーノードサービスを備える。ハイブリッド構成により、認証プロセスの停止が回避され、クラウド上の業務アプリにログインできずに業務が遂行できなくなるといった事態を避けることができ、クラウド認証サービスを運用できる高い可用性を提供する。

 また、RSA Authentication Manager 8.5は、クラウドとオンプレミスのアプリケーションのログインを一元化する認証プロキシ「RSAアイデンティティルーター(IDR)」を包含し、直接CASに接続するようになった。これにより、従来は必須であったIDR専用ハードウェアは不要となり、費用を低減するとともに可用性を高めた。これまで多要素認証を利用できなかった、ネイティブ接続のVPNやWindows Agentなどのようなオンプレミスの保護リソースでも、簡単に多要素認証MFAを利用できるようになる。

 Windows向けエージェントソフトの最新バージョン「RSA MFA Agent 2.0 for Microsoft Windows」と、macOS向けの最新バージョン「RSA MFA Agent for macOS」は、ネットワークに接続していないオフライン時でも、ユーザーがログインする際に認証を確実に行うオフライン認証を提供する。企業ネットワークに接続していないリモートワークの場合でも、オンライン認証時と変わらない操作性と安全性で、リモート環境における厳密な本人認証と生産性の向上を実現する。

 認証サーバーの「RSA Authentication Manager」は、ソフトウェア版とハードウェアアプライアンス版があり、ライセンス体系は買い取りまたは年間ライセンス(サブスクリプション)。価格は提供形態、ライセンス体系、ユーザー数により異なる。エージェントソフトのRSA MFA Agent 2.0 for Microsoft WindowsおよびRSA MFA Agent for macOSは、無償でダウンロードできる。