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東芝デジタルソリューションズ、メンテナンスフリーを実現したシナリオレス型AIチャットボット「コメンドリ」

 東芝デジタルソリューションズ株式会社は5日、シナリオレス型AIチャットボットサービス「コメンドリ」を提供開始すると発表した。既存のFAQ集を取り込むだけですぐにチャットボットを利用できるのみならず、言い換え理解により高い検索ヒット率を実現するという。

 同社によれば、チャットボットには一般的に、問い合わせ内容が定型化されている場合に有効なシナリオ型と、一問一答のFAQ集を用意するだけで幅広い問い合わせに対応できる一問一答型が存在しているが、それぞれに課題があるという。

 まずシナリオ型については、チャットボット構築のためのシナリオ作成や登録に多くの時間や負荷がかかる点が課題になっているとのこと。一方、一問一答型では、入力された質問表現と一致しなければ検索結果が0件となるものが多く、言い換え辞書や言い換え表現の登録が必要となり、そのメンテナンスに手間がかかってしまうという。

 今回発表された「コメンドリ」は、東芝が長年にわたって蓄積したテキスト処理技術と、独自対話技術を活用したシナリオレス型AIチャットボットサービスで、シナリオ型、一問一答型の長所を継承しつつ、短所を克服しているとのこと。

 具体的には、シナリオ作成が必要だった従来のシナリオ型チャットボットとは異なり、FAQ集をエンジンへ投入するだけで重要キーワードを学習し、シナリオレスで自動的に対話を行うことができる。またFAQ集の更新時も、再度投入するだけで自動的に再学習されるため、メンテナンスも容易に行えるとした。

 さらに「コメンドリ」では、AI(深層学習)を用いて言い換え理解を行って検索する仕組みを備えているため、高い検索ヒット率を実現できるとのことだ。

 なお検索結果が多数あった場合、ユーザーが内容確認して判断する必要があった従来のチャットボットに対して、「コメンドリ」は検索結果を絞り込むためにFAQの重要度の高いサジェストキーワードを利用しており、「○○ですか?○○ですか?」のような対話を通じて聞き出すことで、ユーザーが知りたい回答へスムーズに誘導するとしている。