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NTTデータ、AIサービスの創出と継続的な改善を支援する「MLOps導入サービス」

 株式会社NTTデータは30日、顧客によるAIサービス創出を短期間で実現し、継続的に改善を行うための「MLOps導入サービス」を、同日より提供開始すると発表した。

 MLOpsとはDevOpsの機械学習版で、機械学習の開発担当者とシステムの運用担当者が互いに協調しあい、実装から商用システム運用までを円滑に進めるための概念全体を指す。NTTデータでは、従来、顧客へ素早く価値を届ける事を目的としたDevOpsサービスを提供してきたが、AIによる新規ビジネス創出等の相談ニーズの増加に対応するため、今回、適用範囲をAIに拡大するという。

 このMLOps導入サービスは、既存のDevOpsサービスにおける、顧客へ素早く価値を届けるためのノウハウをベースに、多数のAI案件で得られた知見を適用し開発された。デジタルサクセスプログラムの1つとして提供してきたMLOpsサービス「AICYCLER」では、AIが予測を行う際の判断ロジックとなる「予測モデル」を、さまざまなビジネス関連データや、AIの予測結果・実績(予測と実績の良否)データを用いて自動的に評価・更新。これにより、予測精度(予測モデルの品質)を維持する技術を提供してきたが、今回はさらに、OSSとパブリッククラウドベースの検証済みツールをソリューション群「Altemista」に追加し、提供を開始する。

 このツールを利用すると、利用しない場合と比較して、データ確認からデータ前処理、モデル設計、学習、モデル管理、デプロイ再評価までのプロセスの作業を、約250%以上向上可能になるとのことだ。

 なお、AIを実ビジネスにて適用する場合、PoCの成功のためには予測精度をビジネスに適用できるレベルまで高める必要があるという。そのためにはデータ確認からデプロイ再評価までの各プロセスを繰り返し、最適なチューニングを見つけることが肝となるが、このプロセスを250%以上高速化することで、一般的に多く提供されている3カ月のPoCにおいて、その成功のため必要とされる5回以上のチューニングが可能となるので、結果として実ビジネス創出につなげられるとのこと。

 一方、AIを活用した実ビジネスでは、その価値は主に予測精度に依存するものの、この予測精度は情報や情勢の時間変化による影響を受ける。例えば本年度のコロナ禍により、一時期は小売りや飲食店の売り上げが予測値と比較し大幅に低下する事象が起きたが、その状態に予測モデルをチューニングしたとしても、緊急事態宣言の解除や世論の動向によって、今後は予測値に対し急激に売り上げが増加するといった事象もまた起きている。

 このように情勢の変化が激しい場合、前述のようなツールチェーンを活用することにより、簡単かつ高速にモデルを改善し適切な予測をさせられるため、結果としてビジネスの改善につながるとした。

 NTTデータは今後、サービスをグループ各社へ展開し、3年間で案件への導入件数100件を目指すとしている。