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CTC、高速判定が可能な顔認証エンジン「Ayonix FaceID」を販売

 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は16日、顔認証での高速判定を強みとした国内ベンダーのアヨニックス株式会社(以下、Ayonix)と、日本およびASEAN地域における総代理店契約を締結したと発表した。CTCでは、マルチデバイス対応の顔認証エンジン「Ayonix FaceID」の提供と、Ayonix FaceIDに関連して顧客の環境に合わせたアプリケーション開発や保守などのシステムインテグレーション(SI)サービスを開始した。

 Ayonix FaceIDは、ディープラーニング(深層学習)技術を使用した高速判定を実現する顔認証エンジン。顔認証で必要となる顔検知や本人特定に加え、年齢検知、笑顔判断、顔追跡などの要素機能を使用して、顧客の要件に応じた柔軟な開発に対応する。

 顔の特徴を抽出する独自技術により、GPUを含む高性能なサーバーを必要とせず、スマートデバイスを含めた各種OSに対応しているため、既存のウェブカメラやサーバーなどのIT資産を利用して顔認証システムを実現できる。

 また、Ayonix FaceIDを搭載したAyonixのIPカメラ「AICAM」の取り扱いも開始した。AICAMを使用すれば、顔認証に必要となる画像解析がエッジとなるカメラで処理されるため、大規模な場合でもシステムやネットワークの負荷が軽減できる。

 CTCでは、オフィスへの入室での衛生管理や、スムーズな認証、共連れといった不正入室の検知を目的として、従来の指紋・静脈認証に代えて、2018年からAyonix FaceIDを導入。セキュリティ強化のため、カラーバーコードによる二要素認証の機能も追加しており、社内での開発や運用で蓄積したノウハウをベースに、顧客の環境や要望に応じたアプリケーション開発やシステム構築、保守サポートなどのサービスを提供する。

 オフィスや施設での入退室で顔認証の導入を検討している企業や、業務プロセスの改革で顔認証の活用を考えている企業に向けてAyonix FaceIDを販売し、SIサービスを含めて3年間で10億円の売上を目指す。

 また、今後はCTCとAyonixが共同で、PCへのログインやネットワークカメラ管理システムとの連携、マスク着用時の顔認識やサーモグラフィを併用した体温検知などの機能拡張を図り、オフィスやテレワークでの業務の効率化、店舗マーケティングでの活用など、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援していくとしている。