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キヤノンITS、自然言語処理を利用した類似文書検索エンジン「DiscoveryBrain」

L is Bのビジネスチャット「direct」との連携が可能

 キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は26日、自社の自然言語処理技術とElasticsearch社の全文検索エンジン「Elasticsearch」を融合させ、類似文書検索エンジン「DiscoveryBrain」として提供開始すると発表した。

 DiscoveryBrainは、企業内に点在する複数のストレージシステム、文書管理システムを横断して高速検索できる類似文書検索エンジン。検索キーワードを指定せずに、文書をそのまま、あるいは全文コピーしてDiscoveryBrainに渡すことで、類似する文書の検索を行えるという。

 具体的には、キヤノンITSの自然言語処理技術を用いて大量の検索対象文書の特徴を解析することにより、一般的な単語や短文だけではなく、複数ページにわたる文書を検索条件にできる「類似文書検索(文書同士のマッチング検索)」を可能にしており、検索条件の文書と内容が類似した文書を容易に見つけ出せるとのこと。

 これにより、例えば、「営業部門において、担当者が顧客から受領した提案依頼書と内容が似ている過去案件の提案書類を探す」、「設計・製造部門において、担当者が自分の作成した設計仕様等の文書を検索条件として、過去の関連文書と比較、過去に課題となった個所を把握しミスを未然に防ぐ」といったケースでの利用が想定されるほか、会議資料・企画書・説明書など、企業内のさまざまな文書にも応用できるとしている。

DiscoveryBrain概要図

 また、業務上類似する単語をグループ化し、分類名を付与できる辞書機能を搭載。辞書で定めたルールに基づいて、文書を自動的に分類できるようにした。検索時の単語やフレーズが含まれていない文書についても、検索条件に類似している情報と判断し、検索結果に含められるようにしている。

 運用にあたっては、文書を1カ所に集約する必要なく、運用中の文書管理サーバーとクラウドストレージを横断的に検索することが可能だ。

 さらには、API機能を活用し、ユーザー企業の要望に応じた検索画面を構築可能にしており、独自のWeb検索アプリケーションの開発や、社内ポータルのエンジンとして活用できるとのこと。

 フロントエンドとしては、ビジネスチャットで稼働するボットを利用することも可能で、提供開始時には、株式会社L is Bが提供するビジネスチャット「direct」との連携に対応。direct上のチャットボットに話しかけるだけで、社内の営業資料やマニュアルなどの文書検索を行えるとしている。