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HPE、第2世代EPYCを搭載したサーバー「Apollo 2000 Gen10 Plus」 HPC&AIのワークロードに最適化した高密度型

 ヒューレット・パッカードエンタープライズ(以下、HPE/日本ヒューレット・パッカード株式会社)は7月8日、AMD EPYC 7002シリーズ・プロセッサを搭載したHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)/AI(人工知能)向けサーバー新製品「HPE Apollo 2000 Gen10 Plus System」を同日より提供開始すると発表した。この発表に合わせ、同日にHPEのHPC&AI戦略および新製品の概要を紹介するオンライン説明会が行われた。

HPE Apollo 2000 Gen10 Plus System

 今回発売するサーバー新製品「HPE Apollo 2000 Gen10 Plus System」は、HPCとAIのワークロードに最適化した高密度型プラットフォーム。高い性能を持つAMD EPYC 7002シリーズ・プロセッサを、240Wを超えたTDP(熱設計電力)までサポートすることで、HPC&AIアプリケーションの性能向上を実現。エクサスケール時代において企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させるためのサーバーインフラストラクチャを提供する。

 日本ヒューレット・パッカード 取締役 執行役員 HPC&AI事業統括の根岸史季氏は、新製品のリリースにあたり、同社のHPC&AI戦略について、「エクサスケール時代のHPCには、さらなる多様性が求められている。特に、DXの推進に向けて、モデリングとシミュレーション、AI、ビッグデータ分析など、さまざまなワークロードを1つのプラットフォーム上でサポートしていくことが重要になる。こうした中で当社は、HPCの世界市場でトップシェアをキープしており、エクサスケール時代のHPCに必要な新たなコンピューティング、ソフトウェア、ストレージへの投資を継続している」と述べた。

日本ヒューレット・パッカード 取締役 執行役員 HPC&AI事業統括の根岸史季氏

 「現在、コンピューティングは、プロセスルールの微細化が困難になってきており、プロセッサの性能向上にはTDPの上昇がともなうことになる。そのため、今後、コンピューティングの性能をさらに追求していくには、高TDPのプロセッサを格納できるサーバーと適切なファシリティが不可欠と考えている。そこで今回のサーバー新製品では、エクサスケールクラスのシステムで採用が進んでいるAMDの高性能CPUに着目した」と、新製品で第2世代AMD EPYCプロセッサをサポートする背景を説明した。

AMD EPYC 7002シリーズ・プロセッサの概要

 これを受けて、日本AMD 代表取締役の林田裕氏は、「HPEとAMDは、第1世代AMD EPYCプロセッサの初期仕様策定からのパートナーであり、次世代バージョンでも協業を行い、顧客に選択肢を提供できる製品とサーバー・ソリューションで長期的なビジョンを共有している。今回、HPEのサーバー新製品に搭載される第2世代AMD EPYC 7002シリーズ・プロセッサは、最大64の高性能コア、128レーンのPCI-e Gen4、8つのメモリチャンネルを搭載し、最大4TB RAMをサポート。バランスのとれたアーキテクチャにより最高クラスのパフォーマンスを発揮する。現在、第2世代AMD EPYCプロセッサは、170以上の世界記録を達成しており、その記録を更新し続けている」と語った。

日本AMD 代表取締役の林田裕氏

 前モデルの「HPE Apollo 2000 Gen10 System」と比較した新製品の進化ポイントについて、日本ヒューレット・パッカード ハイブリッド事業統括 製品統括本部 カテゴリーマネージャーの高橋健氏は、「パフォーマンスの向上」、「電源容量の強化」、「柔軟なストレージ」の3つのポイントを挙げた。

日本ヒューレット・パッカード ハイブリッド事業統括 製品統括本部 カテゴリーマネージャーの高橋健氏

 「新製品では、2P/1Uハーフワイドのサーバートレイに、第2世代AMD EPYCプロセッサを搭載することで、大幅なパフォーマンス向上を実現。2Uシャーシあたり最大4台のサーバートレイをサポートし、1Uサーバーの2倍の実装密度を提供する。また、200Wを超える高性能プロセッサを搭載することができ、さらに水冷モジュールを追加することで、280Wの最高性能プロセッサAMD EPYC 7H12もサポートする予定だ。電源容量は、従来型のパワーサプライ1600W/1800Wに加え、エンタープライズ向けの新型パワーサプライ3000Wを提供する。ストレージについては、ワークロードに合わせてバックプレーンを柔軟に選択可能にすることで、エアフローとコストの改善を支援する」とした。

「HPE Apollo 2000 Gen10 Plus System」と前モデルのパフォーマンス比較

 国内での販売展開としては、「HPE大島本社に、第2世代AMD EPYCプロセッサ搭載の『HPE Apollo 2000 Gen10 Plus System』を8ノード配備し、同製品の高パフォーマンスを体感できるようにする。また、セキュアなVPNを使用し、リモートでの検証を可能とする。導入にあたっては、ファシリティコンサルティングからアプリケーションベンチマークまで、当社に在籍する日本国内のHPCスペシャリストが対応していく。さらに、HPC&AIの知見に優れたパートナー企業と強固な連携を図るほか、今年6月に発足した『HPE×AMDパートナー倶楽部』により、全国のHPE販売パートナーとも連携し、AMD EPYCプロセッサ搭載製品の普及拡大を推進していく」との考えを示した。

 「HPE Apollo 2000 Gen10 Plus System」の最小構成価格(税別)は、121万3000円から。