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NECがメインフレーム「ACOS」製品群を強化、新モデルやクラウドサービスを提供へ

オープン環境との連携によってDX実現に向けた企業のモダナイゼーションを支援

 日本電気株式会社(NEC)は25日、メインフレーム「ACOSシリーズ」を強化すると発表した。汎用小型機「ACOS-2」製品のラインアップを拡充するほか、クラウドサービス「ACOS-2プラットフォームサービス」を新たに提供。さらに、既存のACOSシリーズとクラウド環境を連携する製品もラインアップした。

 NECでは、これらの製品/サービスの活用によってメインフレームとオープンシステムとのハイブリッド環境を構築し、ユーザー企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進したい考えだ。

 まずACOS-2の新製品では、Xeonプロセッサを搭載し、前機種(i-PX7300GX)と比べてCPU性能を最大10%高めた「i-PX7300RX」を発売する。ディスクについても、SSDを採用してI/O性能を前機種比約2倍に高めているほか、ユーザーディスクの搭載可能数を前機種比約3倍の20台に向上させた。もちろん、信頼性は前機種と同等のものを確保しているという。

 また新OS「ACOS-2/MP R12.1」では、システム終了と連動し静止点を確保したバックアップ運用機能を追加。紙帳票の電子化を容易に実現する機能もサポートした。これにより、紙資源や管理コストを削減するのみならず、帳票データを有効活用可能にすることで、新たな価値の創出を支援するとしている。

 i-PX7300RXの価格は、エントリーの「モデル100RX」が1308万円(税別)からで、9月末の提供開始を予定する。

i-PX7300RX

 2つ目の強化としては、オンプレミス/クラウドといった環境を問わず、柔軟かつシームレスに業務システムを活用可能にするため、新たな製品・サービスを投入する。現在は、中・大型汎用機「ACOS-4」相当の実行環境をクラウドサービス(PaaS)として利用できる「シェアードACOSサービス」を提供しているが、今回、ACOS-2のハードウェア/ソフトウェアのリソース相当を利用できる「ACOS-2プラットフォームサービス」を提供。企業の業務資産をそのまま利用できるようにするとともに、IT基盤の安全性を確保し、業務効率化を支援するとした。

 なお、クラウド基盤サービス(IaaS)「NEC Cloud IaaS」との連携も可能で、バックアップ環境や運用監視サービスなども利用できる。

 ACOS-2プラットフォームサービスの価格は月額50万円(税別)からで、別途、NECデータセンターまでの回線費用、初期構築費用が必要。9月末の提供開始を予定する。

 このほか、ACOS-4システムのモダナイゼーションを支援する製品として、RESTful APIでACOS-4上の資産を活用可能にし、クラウドをはじめとするオープン環境との連携容易化を図る新製品もラインアップした。

 具体的には、コンテナ実行環境からACOS-4上のアプリケーションを容易に呼び出せる「WebOTX OLF/TP Connect for Container」と、ACOS-4上のデータへダイレクトにアクセスする機能を提供する「ACOS Access Toolkit REST Web Services Option」を用意している。

 これらの製品を活用することにより、機密性の高い基幹業務データをACOS-4上に保持しつつ、オープン環境のユーザーアプリケーションやクラウドサービスと組み合わせて活用しやすくなり、メインフレームの利点を生かしながらビジネス機会の創出に寄与できるとのことだ。