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画像解析で“密状態”を判定――、NECが密集度合いのリアルタイム可視化技術を開発

既設カメラや撮影済みの映像からも全自動で判定可能

 日本電気株式会社(NEC)は11日、画像解析で人の密集度合いをリアルタイムに可視化し、人と人が十分な距離を保てているかを判定する、ソーシャルディスタンシング判定技術を開発したと発表した。

 奥行きのある映像については、カメラからの距離の遠近によって人物の大きさが変わるため、従来の技術ではカメラごとの事前調整が必要だったが、今回開発した技術は、映像内の人物の大きさがまちまちな既設カメラの映像や撮影済みの映像でも、場所と大きさの関係を計算し、人と人との距離を高精度に算出できる点が特徴という。

 これによって、さまざまな位置・角度で撮影している映像をすぐに解析可能になるほか、広範囲の解析を行えることから、施設内だけでなく、屋外のオープンスペースに設置された撮影映像も利用できるという。

 また、ソーシャルディスタンシング(例えば2m)が確保されているかを可視化するために、カメラ映像中の人物それぞれに対して半径1mの範囲を表す円を描き、円が重なっている場合には赤色で表示する、といった機能を備えた。

 赤色の円の割合を計算することで、ソーシャルディスタンシング指数(密集度)をリアルタイムに示すことも可能なため、施設の管理者や利用者に対して、タイムリーにソーシャルディスタンシングを確保する行動を促せるとのこと。

 なおNECでは、ソーシャルディスタンシングの解析結果をデジタルサイネージなどで表示することにより、公共施設、商業施設、商店街、オフィスビルなど、さまざまな施設の利用者に、ソーシャルディスタンシングを確保し、密集回避を促すソリューションを実現できるとアピールしている。

 また同社は今後、映像解析技術などを組み合わせたソリューションの社会実装を目指すとのことだ。