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マスク着用時などの認証精度を向上、グローリーが新たな顔認証エンジンを開発

ウォークスルー型顔認証の新システムなどに順次搭載へ

 グローリー株式会社は17日、マスクを外さなくても、事前に登録した画像データを利用し、高い精度で認証可能な新顔認証エンジンを開発したと発表した。同エンジンは、9年ぶりに刷新する同社のウォークスルー型顔認証システムに搭載され、6月より販売を開始するという。

 従来の顔認証エンジンでは、マスクやサングラスの着用により顔の一部が隠れたり、明るさなどの認証環境が異なったりすることによって、認証精度にばらつきが出るといった課題があった。

 これに対して新エンジンでは、これまでのアルゴリズムにディープラーニング(深層学習)の手法を加えることで、目元やこめかみ、おでこ、鼻筋など、マスクやサングラスを着用しても隠れない部分の本人特徴を、より正確にとらえられるように改善した。これにより、マスクやサングラスの着用、逆光や暗所、事前登録データが斜め顔などの厳しい認証環境でも、高い精度での本人認証が可能になったという。

 一方、新型のウォークスルー型顔認証システムでは、複数店舗の顔情報などを本部で一元管理可能な「本部管理機能」を搭載することにより、単一店舗向けのシステムだった従来型と異なり、複数店舗での利用に対応。他店舗で登録した情報もリアルタイムに共有できるので、防犯対策やVIP顧客のサービス向上に貢献するとしている。

 また、他システムとのAPI連携機能も追加され、既存の業務システムへの通知や外部データの一括取り込みなどを実現。さらに、初めて利用する人でも直感的な操作ができるよう、ユーザビリティの改善を実施した。具体的には、操作アイコンによる分かりやすい表示、画面遷移数の削減、ユーザーに応じた画面構成の変更機能搭載などを行っている。

 なおグローリーでは、新しい顔認証エンジンを新型のウォークスルー型顔認証システムに搭載するのみならず、入館管理システムなどの既存製品、パートナー企業向けソフトウェア開発キット「顔認証SDK」にも適用し、2020年度中に順次販売していく予定だ。

新ウォークスルー型顔認証システムの認証イメージ