ニュース

アドバンテストがSAP HANA導入、統合品質情報システムのデータベース処理を大幅に効率化

 SAPジャパン株式会社は7日、株式会社アドバンテストが、インメモリプラットフォーム「SAP HANA」を導入したと発表した。これによりアドバンテストでは、半導体検査装置の品質維持に欠かせない統合品質情報システムのデータベース処理を大幅に効率化したという。

 半導体試験装置などを提供する大手メーカーのアドバンテストでは、製品設計段階での品質向上を図るため、市場での障害情報、工程内の不良情報、工場から出荷した製品の使用実績などのデータを、さまざまなシステムから「統合品質情報システム」へ集約し、分析・活用している。

 当初は汎用データベース上で、毎週末に1週間分のデータをバッチで処理していたが、データ量の急増によって週末の間に処理を完了できない恐れがあったとのこと。こうした課題を解消するために、インデックスや並列処理採用といったチューニングの試行錯誤もなされたものの、処理全体の複雑化やメンテナンス負荷増大を招いてしまい、データベースマイグレーションの検討が急務になってたという。

 そこで同社では、短期間で、かつ現場への影響を最小限に抑えて効率的に効果を得るために、既存システム全体の更改ではなく、SAP HANAをバッチ処理高速化エンジンとして用いることで処理時間の短縮を図る方針を立て、PoC(概念実証)を経て採用を決めている。

 SAP HANAは2019年4月より本格稼働を開始しており、バッチ処理時間は約10分の1へと短縮。既存の汎用データベースとのデータ転送時間を含めても、半分を大幅に下回る時間短縮を実現しているとのことだ。

 なおアドバンテストは、データのSAP HANA上での利活用や、ソースデータ加工処理の取り込みなど、別業務への適用も検討していく考えだ。