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サイボウズが高山市役所と実証実験、kintone活用で業務効率化や市民の利便性向上図る

 サイボウズ株式会社は6日、高山市役所と連携し、業務アプリ作成クラウド「kintone(キントーン)」を利用した実証実験を開始すると発表した。期間は2020年1月~3月の3カ月間。

 具体的には、サイボウズのkintoneが持つ、業務システムを現場のユーザー自らが設計・改修できる利点を生かして、高山市が「おくやみ窓口システム」「観光宿泊統計調査システム」を開発。業務での利用を通じて導入効果の実証を行うとした。

 このうち「おくやみ窓口システム」は、死去に伴う窓口での各種手続きについて、遺族などの届出者をサポートするものだ。死去に伴う各種手続きは、当該者がお亡くなりになっており必要となる手続きを本人から聴取できないため、現状では、届出者が関係課窓口で内容を確認しているという。しかし関係部署が多岐にわたるだけでなく、一度の市役所訪問で完了できない手続きもあるため、届出者や関係事業者にとって大きな負担となっているとのこと。

 そこで今回の実証実験においては、kintoneを利用して、当該者の死去に伴い発生するすべての手続きを、関係部署が事前に把握して届出者に案内し、市役所訪問時にワンストップでの手続きを可能とするシステムを構築する。

 なお、日本では年間死亡者数の増加が予測されている中、こうしたシステムを実現することにより、全国の自治体が導入しやすいモデルケースを創出としている。

 一方の「観光宿泊統計調査システム」は、高山市における宿泊者数の調査業務を効率化するもの。高山市では宿泊者数の調査にあたって、市内約350の宿泊施設から毎月、宿泊者数に関する各種情報をFAXやExcelデータで収集しており、職員が手入力で集計を行っているため、時間がかかってしまっているとのこと。

 そこで、kintoneを利用して市内宿泊施設からの宿泊者数報告などインターネット上で行えるシステムを構築し、自動集計することで、業務効率化と分析結果の活用促進を目指すとしている。